暑いと肌のお手入れをサボりがちになるが、強い日差しやエアコンによる乾燥などで肌トラブルを起こしやすい時期でもある。化粧品メーカーに、酷暑の夏におすすめのスキンケアの工夫を聞いた。
冷やした化粧水やジェルでお手入れ
コーセーはこの夏、看板商品「雪肌精」の化粧水やジェルを、冷蔵庫や冷凍庫で冷やしてから使うよう勧めている。東京・銀座の直営店で今月から始まった「冷やし雪肌精」の体験イベントを訪ねると、来場者が化粧水を含んだコットンを手や首などにつけて涼んでいた。
東京都内のパート従業員の女性(52)は「暑いとスキンケアが面倒になるけど、『冷たい』というだけで気分があがるし、気持ちがいい」と声を弾ませた。
同社によると、どの化粧品も冷やしてよいわけではないという。冷蔵庫や冷凍庫に入れる前に、メーカーの公式サイトで冷やしても問題のない製品かどうか確認するといい。同社の広報担当者は「暑さでぐったりとする中でも、肌のお手入れに少し前向きな気持ちになってもらえたらうれしい」と話す。
夏こそ保湿が重要
花王が昨年9月にインターネットで女性約550人に行った調査では、65%が酷暑期にスキンケアを「簡略化している」と回答。「簡単に済ませたい」「面倒」「スキンケア後の肌が不快」という理由を挙げる人が多かった。
同社ビューティリサーチ&クリエーションセンターの横島真由美さんは「暑い時期は肌の手入れを簡単に済ませたくなるもの。べたつくのがいやで、化粧水以外の保湿剤をつけなくなる傾向もあります」と話す。だが、夏場は強い直射日光にさらされたり、汗を拭き取ったりすることで肌が乾燥しやすくなるという。
「夏も、保湿が重要です」と訴える横島さんが勧めるのが、霧状にして肌に吹きつけるミストタイプの化粧水だ。朝と夜の手入れを怠りがちになるからこそ、日中、こまめに顔などに吹きつけてうるおいを補うといい。「エアコンが利いた室内にいるだけでも肌の乾燥を感じる人が多い。その前に化粧水を吹きつけましょう」
べたつきがちな乳液やクリームを、さっぱりとした感触のものや、短時間でうるおいを補えるタイプのものに変えるのもお勧めだ。塗る時は指の腹で手早く小刻みに「ポンポン」とはじくようにする。肌に触れる時間を短くすることで不快感が減らせるという。横島さんは「季節ごとに基礎化粧品を変えてもいい。どんな化粧品ならスキンケアを続けられそうか、考えながら工夫してみてください」と話す。
冷感化粧品も注目
肌がひんやりとする「冷感化粧品」も注目されている。資生堂は6月下旬、シャーベット状にして使う美容液「S ソルベセラム」を発売した。そもそも化粧品は寒い地域で使っても凍らないように作られているが、今回はその発想を転換。創業以来初めての凍らせることができる商品だという。
発売から10日間で、目標としていた販売個数の1.5倍超が売れた。開発担当の畠山真紀さんは「夏の肌へのご褒美として使ってほしい」と話す。
化粧品ブランド「ファス」が展開する化粧落とし「ザ クリア クレンジングジェル クール」は、メントールを配合した水分たっぷりのジェルで、ひんやりとした感触が楽しめる。
美容総合サイト「アットコスメ」のリサーチプランナー西原羽衣子さんによると、これまでにも冷感化粧品はあったが、酷暑で商品が増え、盛り上がりを見せているという。「冷感化粧品は効果が実感しやすい。暑い夏が続けば定着していくのでは」と分析している。



