マクドナルド、年1回の官能評価で世界共通の味を維持する舞台裏
マクドナルド年1回官能評価で世界共通の味維持

マクドナルドは世界100以上の国と地域で約4万1000店舗を展開し、日本国内でも約3000店舗を営業している。1971年7月20日に東京・銀座で日本1号店がオープンしてから55年。今や、日本人にとって最も身近なハンバーガーレストランの一つとなっている。

年1回のグローバル官能評価で品質を維持

マクドナルドで提供されるビッグマックなどのハンバーガーの味や品質は、世界共通の基準で管理されている。定期的な国内関係者による評価に加え、年1回実施されるグローバルの品質管理担当者との「原材料の官能検査(食味評価)」が、その品質を支えている。ビーフパティをはじめ、バンズ、野菜、ソース、そしてポテトなどを実際に試食し、グローバル基準に照らして品質を確認する重要なミーティングだ。

今回、オリコンニュースは、その品質を支える舞台裏となるミーティングで「ビーフパティ官能評価(食味評価)セッション」に潜入した。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

目的は品質維持と技術継承の2つ

このミーティングが毎年開かれる目的は、大きく2つある。ひとつは、世界中どこで食べても変わらない品質を維持すること。もうひとつは、その品質を支える知識や技術を次世代へ継承していくことだ。食材を製造するサプライヤーでは人の異動や世代交代もあるため、新たな担当者が加わることも少なくない。そのため毎年同じ基準を共有し、品質に対する考え方や評価方法を受け継ぐことで、マクドナルド品質を未来へとつないでいる。品質管理だけでなく、人材育成という役割も担う重要な取り組みとなっている。

その中心を担うのが、グローバルで品質管理を担当するビビアンさん。20年以上にわたり世界各国の品質評価に携わってきたスペシャリストで、まさに“マクドナルドの舌”ともいえる存在だ。

ビビアンさんは世界共通の品質基準をもとに、約1週間にわたり、日本のサプライヤーやマクドナルドの担当者とともに、ビーフパティだけでなく、ポテト、野菜、ソースなどさまざまな食材を試食。意見を交わしながら、世界基準とのズレがないかを確認していく。

ビーフパティ官能評価:見て・香って・食べてを数値化

今回取材できたのは、多くの人気商品に使われているビーフパティの官能評価。ビッグマックやチーズバーガーなどに使用されるビーフパティを対象に、見た目、香り、食感、味などを細かくチェックしていく。グローバルによる官能検査がメディアに公開されるのは、マクドナルドとしても今回が初めてだという。

会場の雰囲気は、意外なほど和やかだった。焼き色や焼きムラ、焼き時間による違いなどを確認しながら、ビビアンさんが「このパティはどう?」と問いかけると、サプライヤーの皆さんが「少し脂が強いかな」「噛み応えはいいよね」「お肉のほぐれ具合も基準にあっている」と意見を出し合っていく。

サプライヤー、マクドナルド担当者、ビビアンさんが同じテーブルを囲み、それぞれが見て、香りを確かめ、実際に口に運ぶ。そして感じた印象を数値化し、世界基準に最も近い品質を導き出していく。ただし、重視しているのは数値だけではない。一人ひとりが舌で感じたことを共有し、その理由まで丁寧に話し合う。その積み重ねこそが、世界中で変わらない品質を支えている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ

品質を支えるのは人とのつながり

ビビアンさんは、「お客様にハッピーになってほしい。そして、またお店に足を運んでもらうことが私たちの目標なんです」と笑顔で語る。その目標を実現するために何より大切にしているのが、複数いるサプライヤーの方々との信頼関係だ。このミーティングは優劣を競う品評会ではない。仮に品質に変化が見られた場合も、「なぜそうなったのか」を一緒に考え、改善策を導き出すための場となっている。

食材を納める会社ではなく、安全で高品質な商品をともにつくるパートナー。その関係性を築き続けることが、世界中で変わらないマクドナルドの味につながっている。

記者も100%ビーフパティを試食

取材の最後には、記者も味付けを一切していないビーフ100%のパティを試食させてもらった。週に1回はビッグマックを食べるという記者にとっても、パティ単体で味わうのは初めての体験。塩やコショウがなくても、牛肉本来のうま味や香りをしっかりと感じることができた。

世界中どこで食べても、「いつものマクドナルド」と感じられる味。その当たり前の裏側には、年に一度、世界基準を確認し、人と人とが対話を重ねながら品質を磨き続ける地道な取り組みがあった。