高知の老舗洋食店「コックドール」特製ハヤシライス、直木賞作家も愛した味
高知の老舗洋食店の特製ハヤシライス、直木賞作家も絶賛

高知城の東約600メートル。明治維新ゆかりの地の案内板が並ぶ高知市中心部の商店街に、創業75年の洋食店「コックドール」がある。地元の洋食のパイオニア的存在として、戦後の歴史と共に歩み、訪れる人々の思い出に刻まれてきた。

看板メニューは特製ハヤシライス

店内は白と青を基調に調えられ、1階の2部屋に計12テーブル。「女主人であり、ウェートレス」という窪内佳子さん(91)が迎えてくれる。卒寿を過ぎても昼と夜、毎日ホールに立つ。

看板メニューは「特製ハヤシライスセット」(1980円)。牛のスジやバラ肉、骨などをずんどうで幾日も煮込み、デミグラスソースを仕上げる。ライスと一緒に口へ入れると、トマトの酸味とふんだんな肉やタマネギの風味が広がる。

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直木賞作家も回想する味

特別だけれど、慣れ親しんだ味。佳子さんは「本当にオーソドックス。ここは基本、伝統的なお料理ばっかりです」と語る。22年前に亡くなった創業者で夫の清さんは、店の料理を「日本人が作って、日本人が食べる洋食だ」と話していたという。

戦後を生き抜く人々にも「ハレの日」を提供してきた。高知出身の直木賞作家、山本一力さん(78)もその一人。「そんなに慌てて食べいでも、だれも取りやせんきに」。小学5年の秋、妹と共に母親に連れられて店を訪れた日の記憶をエッセー集「味憶めぐり」に記している。初めて食べたハヤシライスは「タマネギと一緒に食べると、肉と旨味を競い合うかのような、未知の味覚が楽しめた」。今も同店のハヤシライスを食べるたび、遠い昔の思い出も味わっているという。

日替わりランチもおすすめ

店の料理を日替わりで楽しむ「本日のランチ」(1760円)もお薦め。佳子さんは「これからも愛され、楽しく食事してもらえるお店でありたい」と話した。※税込み。記事中の値段などは紙面掲載時のものです。

国内外の総支局長が、日頃通っている店のおすすめメニューなど、地域の自慢の味を紹介します。コックドール 高知市帯屋町1の13の13 午前11時30分~午後2時30分、午後5時30分~8時(ラストオーダー7時30分)。水曜定休、木曜不定休

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