“眠らない街”と呼ばれる新宿・歌舞伎町のど真ん中に、40年以上にわたり“眠らない喫茶店”として親しまれてきた店がある。「コーヒーショップクール」だ。
ほぼ24時間営業を続ける理由
コロナ禍以前は24時間営業を実施しており、現在も「ほぼ24時間」営業を継続している。メニューはコーヒーやジュース、カレーライス、サンドウィッチ、ケーキなど、いわゆる王道の喫茶店メニューが中心。喫煙も可能で、煙草をくゆらせる客の姿も多く見られる。
店内で繰り広げられる日常
ある日の夕方、店内ではスケッチブックに絵を描く女性、奇抜な髪形の男性2人、並んで会話もせずぼんやり過ごすカップルなど、さまざまな客がそれぞれの時間を過ごしていた。席数は約40席。アンティークな照明の下にテーブルや真っ赤なソファ、椅子が並び、最も目を引くのは一面ガラス張りの窓際席。すぐ外には歌舞伎町のネオンが広がり、街並みや行き交う人々が手の届きそうな距離に感じられる。
約20年通う会社経営者の石鍋シュウさんは「窓際の席が取れたらラッキー」と話す。「ここから歌舞伎町の通りを眺められる。客引きをしている人や、メイド喫茶のお姉さんたちの様子、ビルに人が吸い込まれていくのを眺めている」と語る。
異色の空間が生まれる背景
店内では時にヤクザの密談が行われ、風俗店の面接が行われることもあるという。元々はとあるコーヒーチェーン店だったが、現在の店員には業務マニュアルが一切ない。チェーン店ではまず見られない自由なオペレーションとサービスが、常連客を引きつける魅力となっている。
オーナーは「これからもお客さんの時間を止めたい」と語り、いつでも開いていることが客の心の支えになっているという。ネオンきらめく歌舞伎町の中で、時がゆっくり流れるこの喫茶店は、多くの人々にとって特別な場所であり続けている。



