伊賀の日本酒「半蔵」、ダムの地下通路で熟成開始 地域振興へ
伊賀の日本酒「半蔵」、ダムで熟成開始 地域振興へ

三重県伊賀市の滝川ダムで、年間を通して気温が安定している地下通路を利用し、日本酒を貯蔵・熟成させる取り組みが今月始まった。天然の貯蔵庫を活用した「ダム酒」として付加価値を高め、地域振興につなげる狙いがある。

8月27日、日本酒「半蔵」の銘柄で知られる大田酒造(伊賀市)の従業員らが、ダム頂上から約25メートル下を通る点検用通路「監査廊」に、168本の「半蔵」を運び入れた。

熟成で口当たり柔らかく 光入らず温度も安定

同社によると、熟成させることで新酒と比べて口当たりが柔らかくなり、うま味が少し強くなるという。酒は紫外線で品質が劣化するため、分厚いコンクリートに囲まれて光が入らず、年間を通して10~15度に保たれている監査廊は、じっくりと熟成させるのに好都合な環境とされる。

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熟成酒は純米酒で、1年ものを120~130本、2年ものを20~30本つくり、来年9月から順次発売する予定。価格や販売場所は今後決まる。

県管理ダムでは初 インフラツーリズムの一環

同社で杜氏を務める大田有輝さん(31)は「ダムには熱心なファンがいる。これまで日本酒になじみのなかった人にも知ってもらえるきっかけになれば」と期待を込める。

同ダムを管理する県によると、今回の取り組みはダムや橋、トンネルなどのインフラ施設を観光資源として生かす「インフラツーリズム」の一環で、県管理のダムで日本酒を貯蔵・熟成させるのは初めて。県によると、全国30か所以上のダムで日本酒やワイン、みそなどを熟成させる取り組みが行われている。

同社の大田智洋副社長(59)は「創業134年の大田酒造にとって、ダム酒は初めての挑戦。ダムの歴史とともに、伊賀の酒文化にも新しい物語を刻みたい」と意気込む。

一見勝之知事は「ダムは観光資源として、ライトアップやダムカードなどの取り組みがなされており、地域振興や観光振興につなげたい」と話している。

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