「焼きナス」は、夏の食卓に欠かせない定番料理だが、その調理の手間を巡り、ある夫婦の間に不穏な空気が流れたエピソードが、読売新聞のユーザー投稿サイト「発言小町」で話題となっている。トピ主「なすび」さんは、自家栽培のナスが大量に収穫できる季節になると、妻に「焼きナスでいいよ」とリクエストするが、妻は毎回不機嫌になり、結局野菜炒めにされてしまうという。トピ主は「単にコンロで焼いてお皿にのせるだけなのに、焼きナスってそんなに面倒ですか?天ぷらや炒め物に比べたら、はるかに簡単な料理では」と疑問を投げかけた。
400件近いレスが殺到、妻たちの本音とは
この投稿には400件近いレスが寄せられ、「びっくり」マークが2600回以上押されるなど、大きな反響を呼んだ。多くのユーザーが妻側に立ち、焼きナスの面倒なポイントを列挙した。「ちくわぶ」さんは「あなたが焼きナスを作ったらいいのでは?奥さんは作りたくないのですから」とコメント。「金の猫」さんは「(焼きナスは)ナス料理の中で最も面倒くさい」と断言する。具体的な面倒ポイントとして、「皮をむく時に熱くて大変」(「みさ」さん)、「夏の台所は火を使うと(暑くて)地獄」(「アイ~ン」さん)、「焼き物をしたグリルやコンロ、焼き網の後片付け」(「マイカ」さん)、「焼きナスは副菜的立ち位置、メインにならないから」(「なな」さん)といった声が上がった。また、「まずは、『焼きナスでいいよ』から『焼きナスがいいな~』に言い方を変える」(「言い方大事」さん)と、コミュニケーションの改善を促すアドバイスも見られた。
プロが教える、絶品焼きナスの極意
一般財団法人「ベターホーム協会」の講師・森田三紀さんは、「ナスは体にこもった余分な熱を外に逃がし、体温を下げる働きがあるので、夏の食卓にぴったりの食材です。焼きナスにすると、たくさん食べることもできますね」と語る。森田さんによると、焼きナスをおいしく作る極意は「強火で一気に焼き、うまみを逃さないこと」。具体的な手順は以下の通り。
下準備
ナスのガク(トゲトゲした部分)の周りに浅く切り込みを入れ、取り除く。このとき、ヘタを切り落とすと水分が抜けるため、切らないように注意。焼き中の破裂を防ぐため、皮に数か所、竹串などで穴を開けておく。
加熱
魚焼きグリルがおすすめ。強火(約300度)で、皮全体が焦げてボロボロになるまでしっかり焼く。片面グリルの場合は、ひっくり返してまんべんなく焼く。箸で挟んでみて、中までふわふわと柔らかくなっていれば焼き上がり。フライパンで焼く場合には、少量の油をひいてナスを入れ、蓋をして強めの中火で約15分、途中で2度ほど転がして焼く。その後、火を止めて5分ほど蒸らすと、グリルに近い焼き上がりになる。
皮むきと仕上げ
焼き上がったらすぐに、さっと冷水にくぐらせて粗熱を取り、熱いうちに皮をむく。ナスの皮は冷めると身に張り付いてむきにくくなるためだ。うまみが逃げるので、水につけっぱなしはNG。冷水は指先を冷やすために使う。皮がはがれにくいときは、ヘタの近くの皮と身の間に竹串を刺し込み、ヘタの反対方向へ引いてむく。食べやすい大きさに切った後、冷蔵庫で冷やすとよりおいしい。味付けはおろしショウガ、かつお節、しょうゆが基本。アレンジとして、塩とオリーブオイルで洋風にしたり、中華風ドレッシングで食べたり、パスタの具材にもなる。
ナスの保存方法と調理のコツ
ナスはインド原産で低温に弱いため、2~3日であれば冷蔵庫に入れず、新聞紙に包んで常温の涼しい場所で保存するのがベスト。それ以上保存する場合は、新聞紙に包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室で保存するが、長期間入れると黒い斑点が出ることがある。鮮度の見分け方として、ヘタのトゲが触ると痛いほど尖っているものを選ぶ。炒め物や揚げ焼きのコツは、火をつける前にフライパンの中で生のナスに油をまぶしておくこと。油を先にコーティングすることで、油が均一にいきわたり、油っぽい仕上がりを防げる。生食(ナムル)のコツは、薄く切って塩とごま油であえること。ズッキーニなどと合わせてもおいしい。
森田さんイチ押し「なすの肉あんかけ」
森田さんは、家庭料理の作り方を教える「20分で2品おかず」コースの開発を担当し、9月には「なすの肉あんかけ」も取り上げる。半年間で計6回のコースだが、チケットを購入すれば1回限りの受講も可能。森田さんは「焼きナス以外でも、パプリカは皮が焦げるまで焼くことで、おいしくなる野菜です。強火で焦げるくらいまで焼けば、パプリカ本来の甘み、うまみが凝縮されます。生の状態でパプリカの皮をむくのは難しいですが、焦げるまでしっかり焼くことで、皮が身から離れてシュシュシュッと簡単にむけるようになります。焼きナスと同じ要領で、ぜひ挑戦してください」と話している。



