会瀬定置市、新鮮な魚求め地元住民ら行列 日立市で年4回開催
会瀬定置市、新鮮な魚求め地元住民ら行列 日立市で年4回開催

日立市のJR日立駅から約1キロ余り南にある会瀬漁港で、年4回程度開催される「会瀬定置市」に、地元住民らが新鮮な魚を求め、クーラーボックス持参で列を作っている。5月中旬の土曜午前には、アジ、タイ、サバ、スズキ、ウマヅラハギ、ホウボウ、ヒラメなどが並び、その日の朝に取れたばかりの魚が次々と売れていった。

県内唯一の定置網漁港が開催

「会瀬定置市」は、県内で唯一、定置網漁を行っている会瀬漁港が、地元の魚を食べてもらおうと開催している。市内の3漁協と加工組合でつくる日立市水産振興協議会が支援し、安価で新鮮な魚を購入できる。

かつての朝市を復活させる形で、昨年度から本格的に開かれており、手ぶらで帰る買い物客がいないように整理券を配り、購入できる上限を決めて販売している。

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100年以上続く「待ちの漁」

会瀬で100年以上続いてきた定置網漁は、「待ちの漁」とも言われる。潮の流れに乗って沿岸を泳ぐ魚を網へ導き、魚が入るのを待つ。漁を取り仕切る漁労長の佐久間伸也さん(39)は「何が取れるか分からない。豊富な魚種が入るのが魅力」と語る。網を固定しているので魚に傷が付きにくく、状態の良い魚を取れるという。

日立市は日立製作所の創業の地ということもあり、企業城下町のイメージが強い。佐久間さんらは小学校の出張授業や水揚げ見学などで定置網漁について発信してきたが、「地元で取れる魚のことを知らない子どもが多い」と感じていた。

魚食普及への取り組み

会瀬定置市を通じて「魚食普及につなげたい」と佐久間さん。一部のスーパーにも会瀬産のアジやタイが並び、「地元の魚を自分でさばいて食べると、おいしさも格別ですよ」とPRする。

6月に予定されていた会瀬定置市は台風の影響で中止に。次回は11月頃を予定している。

買い物客の声と料理店の取り組み

5月の会瀬定置市で客に聞いたところ、SNSを見て家族3人で東海村から来た20歳代の男性はアジ、イナダ、サバ、スズキを買い、アジフライやサバのみそ煮などを作り、親戚にも配るという。「今日の晩ご飯はめちゃめちゃ豪華です」と話した。

初めて訪れた市内の80歳代の男性は小ぶりなアンコウを求め、「どぶ汁にして家族で食べる」と語った。毎回来るという市内の70歳代の夫婦はタイとアジを購入し、タイの昆布締めに刺し身、アジはたたきにするという。「今はネットを見れば調理方法が分かるので便利」と話していた。

日立市若葉町の料理店「みそら亭」では、会瀬のアジを使った「鰺天丼」などが人気だ。水揚げされたその日のうちに処理した新鮮さを売りにしている。店主の岩楯博史さん(52)は会瀬の魚のおいしさに魅せられて3年前に店をオープンした。家庭で作るアジフライは「170度くらいで揚げるのがコツ。温度が大事」とアドバイスする。

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