草間彌生さん「南瓜」秋田のクリニック屋上に 約420点所有の会長悼む
草間彌生さん「南瓜」秋田のクリニック屋上に 約420点所有の会長悼む

世界的な前衛芸術家で、国内外のアートシーンをけん引した草間彌生さんが、8月14日に97歳で亡くなった。秋田市の外旭川サテライトクリニックでは、草間さんの作品を間近で見ることができる。所有する医療法人「惇慧会」の穂積恒会長(73)は、「偉大な人を失った」と悼む。(小杉千尋)

屋上に飾られた「南瓜」

クリニックに設置されている作品は2007年に制作された「南瓜」=写真、(c)YAYOI KUSAMA=。高さ4.3メートル、直径5メートルの黄色いカボチャ像に黒い水玉が描かれている。クリニックの屋上に飾られ、誰でも見ることができる。

穂積さんは、1994年に長野県信濃美術館(現・長野県立美術館)で開かれた草間さんの個展で、複雑に絡み合った木の根のような絵画「黄樹」に感銘を受け、作品を集めるようになった。現在は絵画や立体作品など約420点を所有するという。

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「宇宙や命につながっている」

「草間さんの作品は、ただ奇抜なのではなく、宇宙や命につながっている。例えば網目が人と人とのつながりに感じられたり、水玉が人間を形作る細胞に見えたりと、作品を見ると自分は一人ではないと感じることができる」と話す。

30年ほど前には、草間さんが秋田を訪れ、食事をともにしたこともある。穂積さんが飾っていた作品をじっと見た草間さんから、「私、これ売ったかしら」と言われたという。「お気に入りの作品だったのでしょう。『返してくれ』と言われるかとぎょっとした」と笑う。

「ソフト・スカルプチュア」への評価

長野県出身の草間さんは、幼少期から苦しんだ幻覚や幻聴を作品に昇華させた。カボチャのオブジェや、水玉や網目で埋め尽くされた絵画で知られるが、穂積さんは、布を使った男根状のオブジェなどの「ソフト・スカルプチュア」(柔らかい彫刻)について、「今までにない表現方法を創造した」と評価する。

「『私はね、300歳まで生きますから』と、会ったとき言われて驚いた。永遠にアートを描き続けたいという気持ちだったのでしょうね」と懐かしんだ。

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