小泉八雲の怪談題材のオペラに取り組む声楽家・青山恵子さんを紹介
小泉八雲の怪談題材のオペラに取り組む声楽家を紹介

出雲市出身の声楽家、青山恵子さん(75)が、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の怪談や民話を題材にした日本語のオペラに取り組んでいる。その活動を花野太一記者が7月24日の島根版で紹介した。

日本語オペラの魅力と研究の原点

青山さんが6月に松江市で開いた演奏会を取材し、八雲の怪談「耳なし芳一」を題材にしたオペラを鑑賞した。日本語の歌詞とともに物語が進むため、外国語の歌を聞く時とは異なり、言葉の意味をそのまま受け取ることができる。琵琶やチェンバロ、オーボエ、チェロの音色や、照明の演出も相まって情景が鮮明に浮かんだ。

青山さんは、日本歌曲の歌唱法を研究し、日本で初めて声楽で博士号を取得した。西洋の歌曲とは異なり、日本語は喉が締まりやすく、口もあまり大きく開かないため、「どう歌えば、より自然に伝えられるのか」との問いが研究のきっかけで、日本語のオペラにも生かされている。

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「お客さん第一主義」の教え

青山さんは取材に対し、劇団四季の俳優だった夫の明さんから教わったという「お客さん第一主義」について語ってくれた。自分が良いと思う音楽を追求するだけではなく、音楽を聴く側を意識することが大切だという考え方だ。

記者は高校と大学で合唱に取り組んだ。日本語の曲だけではなく、ラテン語やドイツ語、イタリア語などの曲を歌う機会も多く、その度に発音や意味を理解することに時間がかかった。その過程におもしろさを感じながらも、「聴く人にどこまで届くのか」と考えることも少なくはなかった。過去に鑑賞した演奏会では、専門的な知識がなければ楽しめないように感じることもあった。

取材を通じて学んだこと

音楽は聴く人に届いてこそ楽しめることを、青山さんの歌声から改めて学ばせてもらった。取材を終え、クラシック音楽との距離がこれまでより少し縮まった気がした。

入社して半年、取材で多くの人から話を聞かせてもらう。伝えたいことを記事に詰め込みすぎれば、かえって伝わりにくくなる。取材相手の思いを記事で形にしていく難しさを日々感じている。どうすれば真に読者に届く記事が書けるのか。今回の取材で、青山さんから宿題を与えられたような気がした。

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