今年の手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)でマンガ大賞を受賞した児島青さん、新生賞のサイトウマドさん、短編賞のかわじろうさんが座談会を開催。後編では、作品や創作の裏側について語り合った。
「本なら売るほど」の魅力と共感
児島さんの「本なら売るほど」は古書店を舞台に、古本の魅力や人々の心の揺れ動きを描く群像劇。サイトウさんは「夫が香川で古本屋をしていて、私も手伝うことがあり、第1話にすごく共感しました。エコステーションに本を捨てる場面や、遺品の部屋を見た時の感覚がリアルで、一瞬で心を奪われて単行本を買い、『これはドラマ化します』とXで予言しました」と語る。
かわじろうさんは「古本屋の大変な面も描かれていてリアリティーがある。絵がきれいで、写実的でありながら幻想的な描写に滑らかにつながるのが気持ちいい」と評価。児島さんは「サイトウさんが古本屋に縁があると聞いてドキドキしていた」と応じた。
創作の発想法は「乾燥わかめ」
児島さんは創作の発想法について「完全に見たことも聞いたこともない人は描けない。乾燥わかめに水を入れてかさを増やすように、実際に見聞きした人やこと、体験したことを原形が見えなくなるまで膨らませるのが発想だと思う」と説明。
かわじろうさんは「主人公の店主はあまり動かないが、本に合わせて様々な人が出入りし、物事が進む。こういうやり方もあるのだなと感心した」と述べた。
サイトウさんは「お店という場が主人公的な部分もあるのでは」と指摘し、過去のドラマ「王様のレストラン」(1995年、フジ系)を例に挙げると、児島さんも「大好きです!」と共鳴。サイトウさんは「シチュエーションで続く作品に似た面白さがある」と語った。
キャラクターが動く感覚
児島さんは「まず場と条件があって、キャラクターが来て化学反応が起こる。描いていると、キャラが勝手に動く感覚が何度かあった」と創作の瞬間を振り返った。
サイトウさんの「怪獣を解剖する」は、大型怪獣の上陸が相次ぐ近未来を舞台に、怪獣学者の女性の奮闘をポップに描いた作品。児島さんは「古本屋を舞台に半…」と続けたが、記事は有料部分に移行する。



