2026年6月、サンリオが電撃発表した新ユニット「チアリステイルズ」が、SNSで大きな話題を呼んでいる。デビュー年代も世界観も異なる“うさぎ”4キャラクター――1985年デビューのマロンクリーム、2000年デビューのウサハナ、2010年デビューのウィッシュミーメル、2012年デビューのぼんぼんりぼんが集結。公式X(旧Twitter)の結成ポストは190万回以上のインプレッションを獲得し、ファンから予想外の組み合わせに驚きと喜びの声が相次いだ。
なぜこの4キャラクター? レトロブームではない理由
サンリオの担当者は、結成の背景について「サンリオには長い歴史があるキャラクターが複数いて、その数だけ思い出を持っているファンが多くいらっしゃいます。一方で、すべてのキャラクターでご期待に添える展開ができていないと日々感じていました。どうしたらファンの皆さまに喜んでいただけるか、考えることが多くありました」と語る。
昨今の80年代、90年代、2000年代のレトロブームの影響を問われると、担当者は「たしかにレトロブームでグッズが展開されるたびに話題を集めてきたキャラクターではあります。しかし、ブームだからではなく、今まで応援してくださったファンやこれから出会うファンに新たな展開でワクワクをお届けしたい。いつも応援してもらっている立場の彼女たちが、今度は皆さまを応援する存在になることを決意したというのが近いんです」と説明する。
はぴだんぶいの成功が後押し
サンリオのユニット展開の先駆けは、2020年に結成された「はぴだんぶい」だ。ポチャッコ、タキシードサム、けろけろけろっぴ、バッドばつ丸、ハンギョドン、あひるのペックルの6キャラクターが「ハッピーになりたい男子たち、V字回復をねらう」というコンセプトで集結。活動開始初年の『2020年サンリオキャラクター大賞』では、6キャラクターの獲得票数合計が前年から20%増加。特にあひるのペックルは2025年の同大賞で31年ぶりにトップ10入りを果たすなど、着実に人気を伸ばしてきた。
担当者は「はぴだんぶいはキャラクターの新たな魅力を創出するという意味で、すごく良いユニットだと感じています。ユニット化することで、ストーリー性や物語、それぞれの関係性や新たなシーンを創出できました。チアリステイルズに関しても、それぞれの魅力、そしてユニットとしての魅力が伝わればいいなと思っています」と語る。
ユニット名に込められた意味
ユニット名「チアリステイルズ」は、応援を意味する「Cheer」、〜する人を表す「-ist」、しっぽを意味する「tails」を組み合わせた造語で、「tails」には物語を意味する「tales」の響きも重ねられている。担当者は「社内でも“耳じゃないの?”という声はありましたが、“物語”という意味とも通じる点からテイルズという言葉を採用しました。4キャラクターそれぞれしっぽの形や色、質感が異なるので、ぜひ注目してほしいです」と話す。
なお、ユニット名の「応援」というテーマは、『2026年サンリオキャラクター大賞』のテーマ「がんばるみんなにエールを!Smiling Ovation!」と重なるが、担当者は「たまたま“応援”というテーマが重なったのですが、連動はしておりません。そのため、期間限定のユニットではないということは、しっかりお伝えしたいです」と強調する。
4キャラクターの個性と“自分らしさ”
ユニットのコンセプトは「4つのしっぽと一緒にいっぽ」。担当者は「1つの価値観ではなく、それぞれ別の価値観を持っている4キャラクターが集うことが大切だと感じました。目標に向かう姿勢、頑張ろうという気持ちなど、ファンのさまざまな気持ちや悩みに寄り添えるユニットになることを期待しています」と説明する。
各メンバーの魅力について、担当者は次のように語る。
- マロンクリーム(1985年デビュー):自分の好きなものやセンスを信じ、「自分らしく丁寧に」を大切にする芯のあるキャラクター。昨年の45周年グッズも大変人気だった。
- ウサハナ(2000年デビュー):明るく元気でポジティブな一方、無理に背伸びをせず自然体でいられるところが魅力。平成ブームも相まって、幼い頃に親しんだファンの思い出に刺さっている。
- ウィッシュミーメル(2010年デビュー):相手の気持ちに寄り添えるキャラクター。留学後、自慢の白いしっぽが虹色に変わり、引きこもりがちになった過去がある。しっぽをポジティブにアピールするユニットで楽しそうな姿に喜ぶファンも多い。
- ぼんぼんりぼん(2012年デビュー):歌やダンスが好きで、理想に向かって自分を表現する姿が印象的。デビュー当時を知るファンから「懐かしい」「うれしい」という声が寄せられている。
「そっと隣に寄り添う」応援スタイル
担当者は、現代のSNS社会に対してもメッセージを込めている。「SNSが普及し、便利になった一方で、常に誰かとつながっていることにストレスを感じたり、不安な気持ちを抱える方も少なくありません。周りと比較して“自分なんて”と思ってしまったり、言葉にできないもやもやを抱える方、目標に向かって頑張りたい方など、さまざまな“応援されたい人”がいます。そういった皆さんのそれぞれの“いっぽ”を応援できたらと思っています」
「自分らしく」という言葉に悩む人もいる中、このユニットが大切にしているのは「自分が心地いいと思えるペースでいられること」。応援は後ろから強く押し出すのではなく、「そっと隣に寄り添いながら一緒に歩いていく」スタイルだという。「特別な個性や突出した才能がなくても、自分のペースでいられること。誰かと比べて決めるものではない“自分らしさ”を伝えられたらと考えています。自分の歩幅で、自分のペースで、自分が思った方向に進んでいいというのが、この4キャラクターが集まったときの個性です」
今後の展開
チアリステイルズは、6月27・28日に開催される『サンリオフェス2026 in みなとみらい』のライブステージでオリジナルテーマソングを初披露予定。公式Xでは日常や結成物語を展開し、今秋にはサンリオオリジナル商品の発売も予定されている。マロンクリームやウサハナのグッズを手にしていた世代から現在のキッズ層まで、親子で“箱推し”したくなるユニットとして広がりそうだ。



