静岡市清水区で3年ぶり新人芸妓 沼津出身・吉住優月さん(18)が芸妓名『兎子』でデビュー、伝統残す願い舞う
静岡市清水区で3年ぶり新人芸妓 沼津出身・吉住優月さん(18)が芸妓名『兎子』でデビュー、伝統残す願い舞う

6月中旬、淡い水色の着物を身にまとった吉住優月さん(18)が静岡市清水区の小芝神社を訪れ、今後の活躍を祈願した。同神社で絵馬に「芸能上達」と記した吉住さんは、芸妓名「兎子(うさぎこ)」としてデビューしたばかりの新人芸妓だ。

芸妓名は本名にちなんで

沼津市出身の吉住さんは、幼い頃に祖母の家で着物に袖を通したことがきっかけで日本舞踊に興味を持ち、小学3年から習い始めた。「繊細な手足の動きや、物語の内容に合わせて舞うところが好き」と語る。高校2年の時に母や祖母と清水芸妓の舞台を見て憧れ、芸妓の道を志した。

厳しい現実と母の言葉

しかし、インターネットで調べると客の高齢化や若年層の認知度の低さ、コロナ禍による機会減少、収入の低さなど厳しい現実が待っていた。「自分の好きなことをやりなさい」という母の言葉に背中を押され、高校卒業後の今春、花柳界に入った。現在は基本的な舞を日が暮れるまで稽古し、静岡市の給付金制度を活用しながら生計を立てている。新人の稼ぎはわずかで物価高が追い打ちをかけるが、制度に助けられているという。

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清水芸妓の現状と支援制度

清水芸妓は1950年代の最盛期には養成学校に約150人が通っていたが、バブル経済崩壊や少子高齢化で客が減少し、担い手も8人に減っていた。この危機を受け、静岡市と静岡商工会議所は2013年から新人芸妓に対し、3年間月約30万円の補助金を支給する制度を開始した。吉住さんは「この制度のおかげで踏み出す勇気が持てた」と話す。コロナ禍で遠のいた客足も徐々に戻りつつある。市の担当者は「清水の歴史や風土の中で育まれ、先人たちが大切に受け継いできたかけがえのない文化を未来へつないでいくことは地域の責任。まちの魅力を育てていきたい」と述べている。

将来の目標

吉住さんは将来、自分の置き屋を持ち後進を育てることを目標にしている。若年層の認知度向上を願い、「もっとみんなに踊り本来の良さや伝統を感じてほしいな」と話す。「まだ覚えることがたくさん。お姉様方のようにいつかたくさんの演目を踊って観客を楽しませたい」と一人前の芸妓を目指して稽古に励んでいる。

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