市川團子、スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」で役の分析を学ぶ 祖父・猿翁への思い
市川團子、スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」で役の分析学ぶ

スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」1000回公演の主役に

2024年、スーパー歌舞伎「ヤマトタケル」が通算上演1000回を達成した記念舞台で、主役を務めたのは市川猿翁の孫、市川團子(20)だった。同作は1986年に初演され、宙乗りや早替わりなどのケレンを重視したダイナミックな演出で歌舞伎の歴史を刷新した作品だ。

白鳥の宙乗りへの憧れ

クライマックスでは、ヤマトタケルの魂が白鳥となって天空に飛び立つ。團子は幼い頃からこの宙乗りシーンの絵を何枚も描き、祖父に見せていたほど憧れていた役だ。20歳の若さで初めて勤めた舞台を、「はたちの無鉄砲さがあったからこそ挑めた。祖父の存在が何百倍も大きくなって見えました」と振り返る。

役の分析と感情のコマ切れ再生

公演は東京、名古屋、大阪、福岡を巡るロングランだった。團子は「役をこんなに深く分析できるんだということを学んだ」と語る。分析手法として、まず様々な感情が共存していることを理解し、相手のせりふを受けて新鮮な気づきを得る。さらに、相手の手を取った時の感情や月を見て思うことなど、段階を追うごとに感情が無数に湧き出る。「コマ切れ再生ではないですけど、感情を作るきっかけがものすごく増えていく」と表現する。

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思春期を経ての変化とシンプルさへの希求

子ども時代は感覚的に動けたが、思春期以降は雑念が生じた。團子は「雑念を取り除くために稽古や分析をしている」と説明。「もしかしたらこの細かさを経た先には逆にシンプルになる世界があるかもしれない。それはまだ想像もつかないんですけどね」と無邪気にほほ笑んだ。

女形への挑戦と周囲を大切にする意識

2025年には、同世代の市川染五郎の相手役として女形に挑戦。舞踊「蝶の道行」で、はかなく世を去った恋人同士を演じた。「これまでは猪突猛進で、自分のことばかり気にしてきたが、女形は相手があってのこと。かといって、相手を見るほどの余裕もなく、袖一つ出すのもこんなに難しいんだ……」と痛感。その経験から、「立役でも、周りを大切にする、気にすることは大事。どこで誰が何をしているかを感知できるようにならないと、舞台もうまくいかない」と語る。

祖父の当たり役「四の切」狐忠信に挑む

そして2025年10月、歌舞伎座で祖父の最大の当たり役である「四の切」の狐忠信を勤める機会が巡ってきた。團子の成長が注目される。(武田実沙子)

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