福原遥「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」喪失と再生描く続編
福原遥主演「あの星が降る丘で」喪失と再生の続編

大ヒットした「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」の続編「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」が公開中だ。「再び涙が止まらない――」といううたい文句の通り、胸を打たれる作品に仕上がっている。

前作から7年後の百合を描く

前作「あの花が――」では、高校生の百合(福原遥)が戦時中の日本にタイムスリップし、特攻隊員の彰と悲劇的な別れを経験した。現代の若者である百合は、国のために死ぬことなど到底信じられないという立場だった。素朴で熱い感情が沸き立ち、思いがけず若者向けの反戦映画として成立していた。

本作は、現代に戻った百合の7年後を描く。教師になった百合は、彰の面影が残る涼(細田佳央太)と知り合う。百合がいかに彰との別れを乗り越えて、涼との恋に踏み出せるかが見所だが、単なるラブストーリーにはとどまらない。

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千代の回想が物語に深みを与える

戦時中の日本が舞台の前作で、百合が出会った千代(出口夏希)のその後が回想される。戦後を生き延びた高齢の千代(倍賞千恵子)が語るのは、特攻隊員の恋人を失った後、重い過去を背負った男性(井之脇海)と結婚した思い出だ。千代と特攻隊員、結婚相手の関係が、百合と2人の男性の関係と重ねられ、喪失と再生の物語が重層的に語られる。

山浦雅大の脚本と新城毅彦監督の演出、俳優の演技がかみあい、見応えのある作品となっている。

百合の真摯な思いが響く

百合は戦争についての特別授業を行ったり、生徒の夢を後押ししたりする。戦争体験を通して感じたことを、実践に移す百合の真摯(しんし)な思いが胸に響く。若者たちの純粋な感情を伝える映画には、美しすぎるという批判をはねつける力強さがある。

「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」は新宿ピカデリーなどで公開中。上映時間は2時間9分。

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