負の感情を乗りこなす技術
怒りや恐怖、不安、悲しみといった負の感情は、できることなら避けたいものですが、生きている以上、完全に避けることはできません。しかし、脳神経外科医の菅原道仁氏によれば、これらの感情をなくすことはできなくても、コントロールすることは可能だといいます。最新の脳科学と古今の知恵を基に、感情をうまく扱う方法を紹介します。
感情に名前をつけると、扱いやすくなる
感情をコントロールする第一歩は、感情に「名前をつける」ことです。心理学では「感情ラベリング」と呼ばれ、非常にシンプルな手法です。「いま不安を感じている」「これは怒りだ」「悲しさよりも悔しさが強い」といった具合に、自分の内側の現象を言葉で定義します。
この単純な作業には脳科学的な裏付けがあります。感情ラベリングによって、興奮していた扁桃体の活動が鎮まることが研究で示されています。つまり、感情を言葉にすることで、脳の過剰な反応を抑えられるのです。
感情の正体を理解し、形を整える
感情を客観視することも重要です。「自分はいま、かなり頭にきているな」と自分自身を観察することで、感情に飲み込まれずに対処できます。また、1日5分の「ぼんやりタイム」を持つことで、生身の感情が浮かび上がり、自分が本当に感じていることに気づきやすくなります。
息を吸い、吐くという事実だけに注目する
最終的には、「息を吸っている。吐いている。その事実だけを観る」というシンプルな実践が効果的です。呼吸に意識を集中することで、ネガティブな感情から距離を置き、冷静さを取り戻すことができます。このプロセスを繰り返すことで、感情をうまく乗りこなす力が身につくでしょう。



