ダウン症のモデルとして活動する大山輝楽里(きらり)さん(21)(川崎市川崎区)が、国内外で活躍の場を広げている。初めてステージに立った日から7年。世界の舞台に立ち、ブランドのアンバサダーも務める輝楽里さんは「頑張り続けたい」と意気込んでおり、両親は「これからも一番のファンとして応援していきたい」とサポートを続けている。
アンバサダーモデルとして出演
16日午前、輝楽里さんは市コンベンションホール(川崎市中原区)で行われた「UP CYCLE FES 2026」のファッションショーにアンバサダーモデルとして出演した。観客に手を振りながらランウェーを歩き、背筋を伸ばし堂々とした様子は、一流のモデルそのものだ。輝楽里さんは「楽しかった」と笑顔で振り返った。
名前への願いとモデルへの道
ダウン症と診断されたのは、生まれてから1週間後のこと。両親は驚いたものの、不思議と暗い気持ちにはならなかった。ダウン症の特性を調べ、個性をどう伸ばしてあげられるかについて話し合った。「この子には、光に満ちたきらりと輝く人生を歩んでほしい」――。そう願いを込めて「輝楽里」と名付けた。
2019年からステージに立ち始めた。本格的に目指すようになったのは、高校卒業後のこと。思いを言葉で伝えることが苦手だったが、自ら両親に「世界のランウェーを歩いてみたい」と打ち明けた。
両親は全力で応援しようとインターネットなどで調べ、若者向けのファッションブランド「LITTLE CAMDEN(リトルカムデン)」のオーディションに応募。書類審査や撮影会などを経て、見事に合格した。
世界の舞台での活躍
昨年2月からは、2年連続で世界4大ファッションウィークの一つである「LONDON FASHION WEEK」にも出演。初となる海外の大舞台でも落ち着き、華やかな笑顔でランウェーを歩いてみせた。今年4月からは同ブランドの広告塔であるアンバサダーも務めている。
元々は、ダウン症の特徴である筋力の弱さから背中が丸まりがちだった。だが、3歳から続けているバレエや、国際大会にも出場したチアダンスで培った「姿勢の良さ」が今では強みとなっている。「ステージに立つ時は、スイッチが入って背筋が伸びているみたい」と母親は話す。
今後の目標と両親の思い
普段は生花店で勤務し、ブーケの作成や販売、配達まで担当している。区役所などで出張販売することもあり、客に「ありがとう」「かわいいね」と声をかけられるのが「うれしい」と笑顔で語る。
今後の目標は、世界の舞台で活躍することだ。3回連続を目指してLONDON FASHION WEEKに挑戦するほか、パリやニューヨークなど各国のランウェーを歩いてみたいという。
母親は「社会には障害者の居場所が少ないと感じることもあるので、娘が存在意義を感じられる居場所を作ってあげたい。今はそれがモデル活動」と娘にエールを送っている。



