日本を代表するセレクトショップ、ビームスが今年、創業から50周年を迎えた。海外の最先端の装いや文化を紹介し、独自の製品を企画、提案。日本のカジュアルファッションを先導し、流行を生み出してきた。
原宿の小さな店から始まったセレクトショップの先駆け
ビームスは1976年2月、東京・原宿のわずか6.5坪(約13畳)の小さな店から始まった。屋号は「アメリカンライフショップ・ビームス」。カリフォルニアの男子大学生の部屋をイメージした店で、洋服やスケートボード、お香、ネズミ捕りまで、あらゆる雑貨を現地で買い付け、並べた。後に「セレクトショップ」と呼ばれる販売形式だ。
同社で社史を担当する長友美恵子さんは「目利きがえりすぐった服や雑貨を通じて、西海岸の若者の生活を再現してみせた。モノでなく、新しい世界観を売る店だった」と語る。同じ年に創刊した雑誌「ポパイ」などに取り上げられ、海外にあこがれる若者から注目を集めるようになった。
時代を象徴するヒット商品の数々
時代を代表する商品を数多く紹介してきた。1980年、アメリカの老舗靴メーカー「オールデン」と協業したローファーを、フォーマルなパンツではなく、白いデニムやチノパンに合わせて売り出した。1989年には、アンティークのボタンを配した紺のブレザーを作り、1990年代に「渋カジスタイル」として流行した「紺ブレ」人気に火をつけた。
2001年にはリーバイスと協業したジーンズ「505」の特注デザインを発売。バブルが崩壊し、高級ブランド志向からカジュアル志向となった消費者らに広く支持された。
家具、飲食、音楽へと広がる事業
近年は家具や雑貨の販売のほか、飲食の提供、音楽のレーベルも設立。2016年からは日本の自治体などと協業し、久留米紬織りの作務衣や、だるまの置物といった伝統工芸をモダンに解釈した商品なども展開する。
2024年に開いた「ビームスライフ横浜」(横浜市)は、古着や古本、アート作品、食品などを取り扱い、服の修理工房や飲食エリアも備える。ネットで何でも買い物できる時代だからこそ、体験や出会いを重視し、「わくわく」を提供するエンターテインメント空間となっている。
50周年記念限定商品と今後の展望
50周年を記念して今年販売される限定商品は250種類以上。多彩なブランドの名作ぞろいで話題になっている。
社長の設楽洋さん(75)は、今後の展望について「ロサンゼルスに、約1250平方メートルの大型店舗を2026年度中に出店する。創業時は海外のおしゃれな文化を日本に紹介した。今度は日本の良さを海外で発信していく拠点を築きたい。物づくりの質の高さ、飲食やアートなど、文化やセンスを発信していく。『日本にはビームスがある』と世界に知らしめ、グローバルなファンを増やしていきたい」と語る。



