東京・秋葉原の街が大きく変貌している。かつて「オタクの聖地」として名物だったメイド喫茶が急速に減少する一方、代わりに「コンカフェ」(コンセプトカフェ)と呼ばれる業態が急増し、客引き行為が日常化している。ジャーナリストの肥沼和之氏が現地を取材し、その実態を報告した。
メイド喫茶の激減とコンカフェの急増
肥沼氏によると、秋葉原のメイド喫茶は最盛期には100店以上あったが、現在は30店も確認できないという。その代わりに増えているのが、アイドルや悪魔、魔法使いなど様々なコンセプトで衣装や世界観を演出するコンカフェだ。カフェと名乗っているが、実際には女性が接客し酒を提供するバーに近い業態である。
「まるで歌舞伎町」――客引きの実態
肥沼氏は約10年ぶりに秋葉原を訪れ、「まるで歌舞伎町のようだ」と感じた。平日18時頃、JR秋葉原駅から中央通りを歩くと、歩道に数百メートルにわたって色とりどりの衣装を着た女性たちがほぼ距離を置かずに並び、次々と声をかけてくる。千代田区は客引きが禁止されているが、パトロールに話を聞くと「彼女たちはビラ配りをしているだけだと言うので、注意できない」とのこと。あからさまな腕への接触などがない限り、取り締まれないという。
40分3000円の飲み放題、実は高額システム
肥沼氏は実際にコンカフェを体験した。赤髪の女性に懇願され、40分3000円の飲み放題プランで入店。しかし、キャストドリンクは1500~2000円、シャンパンは数万~数十万円と高額で、実質的な料金は40分で1万円を超えることも珍しくない。女性は「客を捕まえるまで店に戻れず、長いときは6時間も客引きを続ける」と話した。
無許可営業と未成年就労の摘発相次ぐ
こうしたコンカフェでは、無許可営業や未成年の就労が問題となっている。肥沼氏は「1日おきに営業する店もあり、摘発が相次いでいる」と指摘。メイド喫茶が文化重視だったのに対し、コンカフェは収益第一で、自己顕示欲の強い女性たちの「推し文化」が熾烈な競争を生んでいるという。
メイド喫茶もコンカフェも、文化より収益
肥沼氏は「メイド喫茶=善、コンカフェ=悪とは言えない」としながらも、メイド喫茶も近年は収益優先になり、文化としての「萌え」が薄れつつあると指摘。秋葉原からは、かつてのオタク文化が徐々に消えつつある。



