女優の美村里江さんが、熊本地震で被災した人々へ見舞いの言葉を述べるとともに、長年国内外の災害救助に携わってきた夫の現在についてつづった。平成23年の東日本大震災直後から数カ月にわたって現地で活動し、それを最後に現場を離れた夫は、年始に脳卒中から一時的な記憶障害を起こしたという。
夫の記憶障害と診断の経緯
大きな後遺症はなかったものの、本人は「記憶力が明らかに低下して不安感が強い」と自覚し、複数の病院で診察と検査を受けた。紹介状で最終的に訪れた病院では、1時間かけて職歴や生活についての問診を受け、さらに1時間半かけて認知・記憶能力のテストを大量に受けた。
以前は映像記憶までできた夫が、口頭質問で間違える様子も見られ、美村さんは「健忘症か、ごく軽度の認知症だろうか」と覚悟しながら見守っていた。数回目の脳のCTスキャンを経て、担当医が出した結論は、「能力はこの程度なら問題ない」というものだった。
原因は蓄積したトラウマと脳疲労
担当医は、特殊なシフト制で昼夜問わず長年働き、壮絶な体験を何度も経験してきたことが大きな原因だと指摘。「根本は蓄積したトラウマ的体験」であり、心身ともにタフで長年耐えることができてしまい、ハードワークで睡眠サイクルが根底から壊れて不眠症になり、慢性疲労の脳が年始の脳卒中で限界を迎え、注意力が著しく低下したのではないかと説明した。
医師からは「まずは寝て、脳疲労の回復を。睡眠サイクルの復旧は年単位で考えましょう。それでも改善がなければ、トラウマに対処を」と告げられた。美村さんは、夫のキャリアを順に並べてみると「そりゃそうか」と夫婦で納得したという。
現場を離れて15年後の「救助側」でもこんなことがあるとし、読者に向けて「少しずつでも睡眠をとって、目に見えないお心を大事にお過ごしください」と呼びかけている。



