日本ミステリー文学大賞を受賞した東野圭吾さんが7月23日に亡くなった。68歳だった。訃報を受け、直木賞受賞作家らから哀悼の声が相次いだ。
作家仲間から追悼の言葉
直木賞の選考委員をともに務めた作家の林真理子さんは朝日新聞の取材に「当代きっての売れっ子作家。本当に残念です」と悼んだ。「本を読まない若い人も東野さんだけは読んで、それが映像化されてベストセラーになる。必ず新しいことを見せてくださるので、すごいなと思っていた」と語った。
作家の奥田英朗さんは一緒に銀座のクラブで飲んだり、ハーフマラソンに出場したりと親交があった。「一時代を築いた、あっぱれな人だった」と業績をたたえ、その人柄を「大人然とした人」としのんだ。「うぬぼれたところやいばったところが全くなく、愚痴を聞いたこともない。編集者にも優しく人気のある人だった」と述べた。
作家の村山由佳さんはX(旧ツイッター)に「役者みたいに華のある方だった」と投稿した。東野さんがある文学賞を受賞した時、「金屏風前での撮影の最後に、花束を片手で高く掲げてから壇を下りられた姿」が目に焼き付いているという。「同業者からも編集者からも慕われていた。安らかにと、心よりお祈り致します」とつづった。
映像化作品に携わった人々の声
2006年のドラマ「白夜行」(TBS系)は、脚本家の森下佳子さんが原作のドラマ化を局に提案したことで生まれた。初対面時、まだ駆け出しだった森下さんのプロット案に、東野さんは「印象的でいい」「やってみなさい」と背中を押してくれたという。森下さんは「その言葉がどれだけうれしかったか。本当に度量が深く、懐の大きな方でした」と振り返った。
同作で主演した俳優の綾瀬はるかさんは所属事務所を通じてコメントを発表。「雪穂という役に出会えたことは、私の俳優人生においてかけがえのない宝物です」と述べ、「今でもこの作品や雪穂を愛してくださる方がたくさんいらっしゃることに、東野さんが生み出された物語の力の大きさをあらためて感じています。数えきれないほど多くの人の心を動かす物語を届けてくださり、本当にありがとうございます」と感謝を伝えた。
ドラマ「新参者」(TBS系)や映画「疾風ロンド」などで主演した俳優の阿部寛さんも取材にコメントを寄せた。「東野圭吾さんの訃報に接し、深い悲しみを感じています。『新参者』に出演できたことは、私の俳優人生における大きな転機となりました。東野さんとのご縁に、心から感謝しています。謹んでご冥福をお祈りいたします」



