愛知・名古屋アジア競技大会は26日、eスポーツのパズルゲーム「ぷよぷよeスポーツ」が行われ、11歳の栗原悠輝(東京ヴェルディ、プレーヤー名・ゆうき)が金メダルを獲得した。決勝で敗れて銀メダルとなった韓国代表のカン・ドンシン(24)は、悔しさをにじませながらも、男気あふれる態度で潔く白旗を揚げた。
決勝の激闘と「運負け」
決勝終了後、報道陣に問いかけられたカンは滑らかな日本語で答えた。普段のプレイヤー名は「Red」。韓国の強豪として知られる24歳だ。予選では唯一、栗原から1ゲームを取った選手で、栗原も「カン選手は大連鎖も早い攻めもできる」と評する。
決勝では、大きな連鎖を狙った栗原に対して、細かくぷよを消して攻撃し、1本目を先取した。2本目以降は、戦術をすぐ修正した栗原に5本連取されたものの、7本目を奪取。続く8、9本目も優位に盤面を進めたが、狙った連鎖を発動するために必要な色の「ぷよ」が落ちてこない「運負け」となった。会場の実況・解説者も「ツモ(引き)が悪い」と同情的なアナウンスをし、カンは試合後、「あれはさすがに惜しかった」と唇をかんだ。
ライバルへの賛辞
報道陣から「栗原のライバル」としてコメントを求められると、「やっぱり日本の1位は強いですね。技術力と正確さが半端じゃなかった」と率直に認めたカン。「悔しかった」としつつも、相手の実力を称える「男気」は忘れなかった。
決勝で敗れた相手が11歳であることを問われても、「気にしていないですね。(栗原は)日本の強者を倒してから(アジア大会に)来たので、(年齢は考えず)日本1位を相手にするという気持ちで来ました」と栗原への賛辞を惜しまなかった。
一方で、年長者らしい優しさをのぞかせる場面もあった。決勝戦後に行われた記者会見で、外国人記者の質問にうまく答えられず栗原が戸惑っている様子を見ると、横からすかさず、「答えられなかったら、答えなくてもよいと思います」と助け船を出した。
流暢な日本語のワケ
ちなみに、カンが日本語を話せる理由は「ぷよぷよのおかげです」とのこと。「別に日本語は勉強していないです。ぷよぷよのプレー動画をみたら、日本語がこんなにうまくなりました」と胸を張る。
「10年ほど前から。ぷよぷよのプレー動画をめちゃくちゃ見て、日本語をめちゃ聞いたら、日本語がいきなりできるようになりました」。ただ、ぷよぷよ仕込みの日本語は万能とはいかないらしく、「動画で覚えたから漢字は苦手です」と明かした。
日本発の「ぷよぷよ」を舞台に繰り広げられた日韓頂上決戦。eスポーツ大国として知られる韓国のトッププレーヤーが見せた姿は、正々堂々としたスポーツマンシップ、そして同じゲームを愛する者へのリスペクトだった。