藤井聡太王位に伊藤匠二冠が挑戦する伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦(主催:新聞三社連合、日本将棋連盟)は、挑戦者先勝で迎えた第2局が7月15日・16日に兵庫県神戸市の「中の坊瑞苑」で行われた。対局の結果、相掛かりの競り合いから抜け出した藤井王位が100手で勝利。快勝といえる内容でスコアを1勝1敗のタイに戻している。
飛車を取らせる大局観
伊藤二冠が飛車先の歩を突いて対局開始。相掛かりの展開から持久戦を目指したのは用意と思われる作戦で、昨年4月に指された伊藤二冠自身の前例をベースに指し手を進める。対する後手の藤井王位も想定の範囲内だったか早いペースで追随。1筋の端攻めに手段を求めたのが機敏な反応で、垂れ歩の手筋で一足先にと金を作り先手の対応を尋ねた。
形勢互角のまま1日目午後の戦いへ。攻撃の要に思われた飛車をズバっと切って角を手にしたのが藤井王位の決断の一手だった。後手から飛車の打ち込みがないのを見越しており、手番をキープしたまま先手陣に2枚の角を侵入させることに成功。守勢を強いられることになった伊藤二冠は局後「1日目の指し手が軽率だったか」と後悔をにじませた。
厳しかった二枚角の寄せ
伊藤二冠の書いた封じ手が開かれ対局再開。示された指し手は持ち駒を使って後手陣にいやみをつけるものだが、自陣の飛車が遊んでいるため迫力不足の感は否めない。対照的に藤井王位の攻めは次から次に先手陣の急所を突く厳しい手順で、7筋に据えた桂が先手玉の逃げ道をふさぐ寄せの要に。以降は藤井王位の素早い寄せを見るばかりとなった。
終局時刻は16時5分、最後は伊藤二冠が形を作って投了。比較的早い終局で、序盤に飛車を切っても指せると見た藤井王位の大局観が光る快勝譜となった。藤井王位は「(最終盤で桂を)打ったあたりが感触のよい手順で指しやすくなったか」との感想。第3局は7月29日・30日に北海道登別市の「祝いの宿 登別グランドホテル」で行われる。
藤井王位は局後「端から動くのはやってみたかったがバランスのとり方が難しい将棋だった」と総括(写真:日本将棋連盟)。



