触って楽しむおもちゃ「スクイーズ」が今、空前のブームとなっている。SNSには子どもだけでなく、大人がスクイーズを触ったり飾ったりする様子が多く投稿され、体験型の専門店も続々とオープンしている。
体験型専門店が続々オープン、行列も
今年5月、スクイーズ専門店「PUNIKKO by TOKOTOYZ」が東京・池袋にオープン。ケーキ店のような空間で本物のスイーツを選ぶようにスクイーズを購入するスタイルが話題となり、8月21日に渋谷店、今月11日には吉祥寺店がオープンした。各店舗では常時30種類以上のスクイーズを取りそろえ、本物のようなスイーツや動物のオリジナルデザインに加え、「ナルミヤキャラクターズ」や「モンチッチ」などの人気キャラクターとのコラボ商品も展開している。
看板商品はSNSで人気の「ぷにっこ スイーツ ふわふわスフレシリーズ」。やわらかいシリコーン素材で、ふんわりとした丸いフォルムは見た目も感触も本物のチーズスフレのようだ。
リアルな再現と多彩な触感が魅力
運営会社「ライフスタイルカンパニー」マーケティングチームの宮地ひとみさんは「モチーフにする食べ物などをリアルに再現することにこだわっています。例えば、ケーキをモチーフにする場合も、単にかわいらしくデフォルメするだけでなく、クリームの質感や焼き色、細かいでこぼこなど、『本物みたい』『思わず食べたくなる』と感じてもらえるような見た目を追求しています」と説明する。
同社では各商品のコンセプトに合わせて質感も変えており、宮地さんは「『ぷにっこ 豆腐』には『絹ごし豆腐』と『木綿豆腐』がありますが、『絹ごし豆腐』はトロトロした軟らかい質感にし、『木綿豆腐』は中身がギュッと詰まったような硬めでネットリした質感にして、豆腐をリアルに表現しています」と話す。
今月上旬に記者が渋谷店を訪れると、親子連れや学生など多くの女性客でにぎわっていた。どの店舗もオープン当初から30分ごとに発行される入場・購入整理券を事前予約するシステムだが、現在も連日完売の状態が続いているという。
シリコーン系のトロトロ触感が人気
スクイーズは2000年代初めにゲームセンターの景品などに使われ、小中学生の人気を集めた。2010年代半ばから後半にかけて子どもたちの間で再びブームとなり、今は大人を巻き込んだ大ブームに発展。体験型専門店としては、「Mellojoy」が今月9日に世界初の体験ストア「Pop-Up Shop」を東京・原宿にオープンし、「iBLOOMスクイーズ」を販売する「ブルーム」も8月12日に原宿で専門店「MOOOSH SQUISHY」をオープンしている。
一般社団法人「日本スクイーズ協会」代表の森川葉子さんによると、以前は発泡ウレタン製で低反発のフワフワしたタイプが主流だったが、近年はシリコーンやTPR(熱可塑性ゴム)など素材の種類が増え、モチモチ、ムニュムニュ、プルプル、トロトロ、ネットリなど様々な感触のものが製造・販売されている。「どの素材をどのくらい配合するかによっても触感が変わるので、スクイーズが何種類あるのか数え切れません。最近は、触った瞬間に『何これ!?』と驚くような、トロトロでムニュムニュしたシリコーン系のスクイーズが人気を集めています」と話す。
森川さん自身も2000個以上のスクイーズを所持し、特に「Mellojoy」の「贅沢スフレ クリーミークリーム」と「TOKOTOYZ」の「ぷにっこ モンチッチ」がお気に入りだ。どちらもシリコーン系でトロトロ触感だという。「私は仕事をしながら触って楽しむことが多いのですが、手元に置いて考えごとをしながら無意識に触っているときもあります。私にとってスクイーズは、日常の中で自然に癒やしてくれる存在になっています」と語る。
森川さんは魅力について「発泡ウレタン系は、触った時に『ペタペタ』という音が出るのも楽しくて、ぎゅっと握るとゆっくり元の形に戻っていく感触に癒やされます。シリコーン系はビニールのポーチに入っていますが、取り出して直接触ると、手にペタッとくっついて独特の感触が楽しめます。さらに、付属のパウダーを表面に付ければ、マシュマロのような触感に変わります」と説明する。
SNSでは、ケーキなどの食べ物をモチーフにしたスクイーズを皿にのせて食品サンプルのように楽しむ大人も多い。森川さんは「子どもはフワフワ、モチモチ、ムニュムニュといった触り心地そのものを楽しんでいる一方で、大人は触り心地だけでなく、本物そっくりのリアルな見た目や、人気があってなかなか手に入らないといったレア感に魅力を感じている人が多いようです」と分析する。
購入を考えている人には、実際に店頭やイベントで触ってみることを勧める。「『気持ちがいい』『ずっと触っていたい』と思えるものを選んでもらえたら。人気のシリコーン系は、でこぼこや装飾の少ないシンプルな形ほど、軟らかい感触が楽しめるので、軟らかさを重視する人はシンプルなものを試してみてほしい」とアドバイスする。
最近では手作りも流行し始めており、楽天市場などの通販ショップでは手作りキットが販売され、SNSでは100円均一ショップで材料を購入して作る様子も多く投稿されている。森川さんは「形、色、香り、触り心地まで自分好みに作れて、作る時間も楽しめます。作ったスクイーズは、誰かにプレゼントしても喜ばれるはずです」と話している。



