横浜市で行われる国際園芸博覧会の開幕まで19日で半年となる中、マスコットキャラクター「トゥンクトゥンク」の折り紙がPRに一役買っている。考案したのは、コロナ禍による環境変化のストレスで心身に不調をきたした女性。昨年の大阪・関西万博で勇気をもらい、一歩を踏み出した。「誰もが明るい希望を持てる博覧会に」と願っている。
折り紙で再び輝く
考案したのは、大阪府河内長野市の天川侑希さん(21)。トゥンクトゥンクは「命あふれる地球」がモチーフで、折り紙では中心のハート部分から伸びる腕などを本物に似せるようにこだわった。月1、2回、同市内の市民テラスで折り方を教えており、「私の折り紙で喜んでくれる人がいることがうれしい」と話す。
侑希さんは中学3年の時、コロナ禍で自宅学習が続き、マスク着用など生活の変化に慣れず、日常生活が困難になった。適応障害と診断され、会話や食事がうまくできない状況が5年ほど続いた。母・麻子さん(50)は「この子も家族も、未来が見えない不安が続いていた」と振り返る。
万博が転機に
転機は大阪・関西万博で行われた航空自衛隊「ブルーインパルス」の展示飛行。機体を回転させながら青空に白煙で円を描く姿を見て、「あんなに速い機体を操縦できるのか」と感動した。万博会場のクウェート館ではスタッフに「一緒に踊ろうよ」と誘われ、日頃感じていた「排除されている感覚」がなく、心から楽しむことができた。
万博終了後、侑希さんは折り紙で万博のキャラクター・ミャクミャクを折ってみた。すると、子供の頃から得意だった折り紙への興味が再燃。1月にはトゥンクトゥンクに挑戦した。
SNSで広がる反響
麻子さんが折り方をX(旧ツイッター)にアップすると、10万回以上閲覧され人気に。農林水産省の職員の目に留まり「園芸博のPRに活用したい」と依頼された。侑希さん考案の折り方は同省や神奈川県のイベントで配布されるチラシや県のホームページで紹介され、それを見た人たちが自作の折り紙の画像をSNSに上げるようになった。
園芸博には横浜市内に祖父母宅がある侑希さんも足を運ぶつもりだ。「大阪・関西万博で一歩を踏み出す勇気をもらった。未来に希望を感じられる園芸博に向け、私の作ったトゥンクトゥンクが力になれたらうれしい」と話している。



