ウクライナ避難民の手工芸展、名古屋の古川美術館で開催中
ウクライナ避難民の手工芸展、名古屋で開催中

ロシアの侵略で愛知県内に逃れたウクライナ避難民らが手作りした刺しゅうなどの作品展「伝統が新しい居場所を見つけた 日本で生まれるウクライナの工芸」が、名古屋市千種区の古川美術館で開かれている。侵略開始から24日で4年半。避難が長引く中、母国を思う避難民は「一日も早く平和になってほしい」と願う。9月6日まで。

伝統工芸を展示、初の美術館開催

同展は母国の35回目の独立記念日(8月24日)に合わせて、避難民支援を続けるNPO法人「日本ウクライナ文化協会」(名古屋市)などが企画。作品はイベントなどで販売してきたが、美術館での展示は初めて。

会場では避難民ら女性作家6人の作品を紹介。来日後に制作を始めた作家もおり、お守り人形「モタンカ」やビーズの首飾り、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された装飾「ペトリキウカ塗り」など、伝統を伝える品々が並ぶ。作品の注文もできる。

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避難民の思いが込められた作品

2022年3月に西部テルノピリから名古屋市に避難したマリヤ・サルクさん(76)は来日後、長年憧れていた刺しゅうを始めた。ウクライナ民謡の情景や伝統文様を縫い、「日本の人にも伝統的な刺しゅうを知ってほしい。一日でも早く戦争が終わって古里に帰り、ずっと刺しゅうを作り続けたい」と望む。

北東部スムイから同市に逃れたイリーナ・ドゥドニクさん(68)は、草花や鳥などの刺しゅうに励む。「作品作りは心を癒やし、前を向く力を与えてくれる。母国の文化を守り、日本の美しさを込めた作品も作りたい」と話す。

文化交流イベントと体験講座

開幕前の20日には、支援の輪を広げる文化交流のチャリティーコンサートがあり、ウクライナの曲の演奏や、ダンスが披露された。

同協会の川口・プリス・リュドミラ理事長(46)は「離れた日本で伝統が生き続けていることを伝えるこの展覧会が、ウクライナと日本をつなぐ橋になれば」とあいさつ。在日ウクライナ大使館のナディア・ボズディガン1等書記官は「文化には国境を超え、人々を結びつける力がある。それぞれの作品に、困難に立ち向かう力や希望が込められている」と述べた。

会期中、モタンカや麦飾りを作る伝統工芸の体験講座(参加費1500円)がある。開催日時など詳細や申し込みは公式LINEか電話(052・763・1991)で同館へ。

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