「今日好き」配信開始10年目、プロデューサーが語る高校生の等身大恋愛
「今日好き」10年目、プロデューサーが語る高校生の恋愛

インターネットテレビ「ABEMA(アベマ)」の人気番組「今日、好きになりました。(今日好き)」が、配信開始から10年目を迎えた。高校生が国内外の旅先を舞台に「運命の恋と青春の修学旅行」を繰り広げる恋愛リアリティーショーで、10代ならではの恋愛模様が多くの同世代をとりこにしてきた。番組を支えるプロデューサーの瀧川理香子さん(30)に、制作の舞台裏と番組にかける思いを聞いた。

10代から圧倒的支持を得る「今日好き」

「バチェラー・ジャパン」「ラヴ上等」「オオカミには騙されない」など、動画配信コンテンツでは恋愛リアリティーショーが乱立する戦国時代と言っても過言ではない。そんな中、10代から圧倒的な支持を得てきた「今日好き」は、2017年にスタート。世界中のリゾート地などを舞台に、原則2泊3日で、10人前後の高校生が各シーズンに参加する。最新シーズンは韓国を舞台にした「インチョン編」で、6月から配信されている。

最大の特徴は、参加者が現役高校生であり、「等身大の恋愛」を一貫して見せ続けていることだ。瀧川さんは「高校生の恋愛のど真ん中はここだよね、というものを見せていきたい」と語り、長く親しまれてきた理由を「同世代には『恋愛の教科書』として、大人世代には『自分の過去を懐かしむコンテンツ』として、楽しんでもらえているのでは」と分析する。

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プロデューサー自身も「今日好き」に人生を変えられた

瀧川さんは、大学時代から恋愛リアリティーショーが大好きで、特に「今日好き」は「人生を変えてくれた存在で、一番大事なもの」と言い切る。この番組を作りたいとの熱意が就職につながったほどだ。そんな瀧川さんは、同じように映像コンテンツ制作を目指す若い世代に、「いろいろなものを見て、自分の意見を言語化する。そして自分と違った意見にもたくさん触れる癖をつけることが大切。それらが自分のものを作る時の指標になる」とアドバイスする。

参加者との距離感と「幸せ」を願う制作姿勢

「今日好き」を視聴者の憧れの世界にするべく、様々な工夫が凝らされている。同世代のアイドル的な存在としてキラキラして見える参加者たちも「みんなと変わらない普通の高校生の子たちで、カメラの前に立ったことのない子がほとんど」。SNSに掲載する宣伝用写真は、「普段より3倍、4倍もかわいくしてやるぞ」と意気込み、いくつものポーズや表情を時間をかけて撮影するという。

参加者とは、学校の先生と生徒のような距離感で、日頃からコミュニケーションを取っている。現在高校生の間ではやっている事柄からプライベートの悩みまでいろいろな話をする。だからこそ、見守ってきた参加者の恋が実らなかった際には、「一緒にワンワン泣いた」こともあるという。

番組を作る上では、「必ずしも2泊3日の旅で恋を実らせることだけが正解じゃない」と言う。それは、瀧川さんが常々、「たとえ、それが片思いで終わっても、本人にとって幸せだったなと思える恋愛をしてほしい」と思ってきたからだ。あくまで普通の高校生の間に“幸せな恋愛”が自然に生まれる過程を大切にしている。「人って本当に好きな人が現れると表情がすごく豊かになる。そういう時、この仕事をやっていて良かったと、ぐっと来ます」と瀧川さんは語る。

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編集後記

取材を通じて、瀧川さんが番組に参加する高校生それぞれのキャラクターをつぶさに観察し、生き生きと輝くように心を砕いていることが分かった。制作の裏話をたくさん教えてもらう中で、一人ひとりの幸せな恋愛を一心に願っているからこそ、参加者との深い信頼関係が築け、「今日好き」が視聴者の心をつかみ続けているのだと実感した。(今村)