天満天神繁昌亭が開場20周年、桂文枝が「慣れ」を反省し再活性化へ意気込み
天満天神繁昌亭20周年 桂文枝「もう一度活気を」

上方落語の定席「天満天神繁昌亭」(大阪市北区)が15日に開場20周年を迎える。戦後、落語の定席が途絶えていた大阪に、上方落語の復権をかけて約60年ぶりに誕生した寄席で、今では年中落語が聴ける場所としてすっかり定着した。

開場に尽力した桂文枝が「慣れ」を反省

開場に尽力し、15日から始まる「20周年記念特別公演」で総合プロデューサーを務める上方落語協会最高顧問の桂文枝は、20年の月日が生んだ「慣れ」を厳しい目で見つめ直し、「もう一度(開場当時の)活気を取り戻したい」と意気込む。

繁昌亭は平成18年、当時会長だった文枝が旗振り役となり、地元関係者らに働きかけ、大阪天満宮による土地の無償貸与や、市民や企業から集めた約2億4000万円の寄付によって創設された。それまで「上方落語はどこで聴けるのか」と問われる度に返答に困っていた落語家たちにとって、寄席として年中門戸を開いているホームグラウンドの誕生は悲願だった。

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寄席形式が生んだ成長と課題

ネタが事前に決まっている落語会とは違い、寄席は自分より前の出番の出演者のネタや客席の雰囲気を見ながら、直前で口演するネタを選ぶ。上方落語協会会長の笑福亭仁智は「繁昌亭は寄席形式だから勉強になった」と振り返り、その結果として「今は中堅が充実しているし、若い人も成長が早い。これを次の20年につなげたい」と力を込めた。

一方で、文枝は「この20年間でもっと(スターが)出てくると期待していた。でも、小屋(繁昌亭)ができたことで(落語家たちが)ちょっと安心してしまったところがあったかなと反省している」と本音を漏らす。開場当時は多くの落語家が互いをライバル視しながら緊張感をもって高座に挑んでいたというが、最近は「もっと大きな場所でやりたいとか、もっと人気者になりたいとか、強い気持ちがあまりないように思う」と手厳しい。

その理由として「皆が仲良くなりすぎている」と指摘し、「終演後に打ち上げをしている場合じゃなくて、どうすればお客さんに喜んでもらえるのか、どうすれば上方落語がもっと活気付くかを、競争しながら必死に考えてほしい」と期待を込めてエールを送る。

今後の展望と記念公演

繁昌亭の開場後、上方の落語家は増えて現在、上方落語協会には約270人が所属している。人数の増加で1人当たりの繁昌亭への出演頻度が減っていることも課題となっていて、今後について仁智は、「経験が大事なので、繁昌亭以外の場所も借りて『出張寄席』みたいな形で、中堅たちの活躍の機会を増やしたい」と話した。

20周年記念特別公演(9月15~23日)は全席完売。20周年に先立ち、14日午前10時からは、文枝らが人力車に乗って天神橋筋商店街を繁昌亭まで練り歩く「お練り」も行われる。問い合わせは繁昌亭(06-6352-4874)。

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