メトロンズ第11回公演「金持ちに好かれなくちゃ!」9月に上演、お金を巡る人間模様を描く
メトロンズ新作「金持ちに好かれなくちゃ!」9月上演

しずる、ライス、サルゴリラの実力派コント師3組と作家・中村元樹による7人組演劇チーム「メトロンズ」の第11回公演「金持ちに好かれなくちゃ!」が、2026年9月2日(水)から9月20日(日)まで上演される。今回のテーマは、誰もが抗いがたい魅力を感じる「お金」。脚本を担当するしずるの池田一真、ライスの田所仁、サルゴリラの児玉智洋の3人が、舞台づくりの進化やテーマへの思いを語った。

お金を巡って現れる人間の本性

物語は「見知らぬお金持ちから100万円を渡される」というシーンから始まる。池田は「理由もなく100万円をくれる人がいたら、普通は怖いと思いますよね。でも、中には『ラッキー!』と手放しで喜ぶ人もいるかもしれません。総資産が何十億円もある人からすれば、100万円なんて誤差のようなものかもしれないし。そんなふうに、お金を目の前にしたときに、受け取る側の人間性があらわになる瞬間を描きたかったんです」と語る。

劇中には6人のキャラクターが登場し、全員が異なるお金の考え方を持つ。児玉は「僕は自分が演じるキャラクターを見て、『ああ、実際にこうなりたいな』と思いました。でも現実には、村上(しずる・純)の役みたいに、『それは良くないよ』なんて格好をつけながら、実はおろおろしてお金を欲しがってしまうような、中途半端な自分もいたりして。見終わった後に、『笑ってたけど、実は私、あのキャラクターと一緒だ……』と、自分自身に突きつけられるような作品になるんじゃないでしょうか」と話す。

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脚本作りでの意見交換と演劇ならではの笑い

今回は2公演ぶりに、ほかの俳優が参加しない“メトロンズのメンバーのみ”で構成される舞台。池田は「今の僕らが出せる最高傑作だという手応えがありますね。脚本を書く上でも、メンバーをイメージして書く『当て書き』はあえて避けているのですが、自然とそれぞれの個性が役になじんでいくのが、メトロンズの面白いところです」と語る。

脚本制作では、メンバー間でストレートな意見交換が行われるという。池田は「僕は言語化するのがあまり得意ではないのですが、田所はそこが的確なんですよ。読解力がすさまじくて、台本を一度読んだだけで『ここ、整合性が取れていないんじゃない?』とズバッと指摘してきます。図星すぎて、家に帰ってから『ああ、あいつの言ってたことは正しかったんだな』と反省することもしばしば。ただ、稽古場ではイライラして、つい怖い顔をしちゃいますけど(笑)」と明かす。

児玉は「池田のあの顔は本当に怖い(笑)。でも、池田は僕らの意見をすごく柔軟に取り入れてくれるんです。僕は田所みたいに論理的な指摘はできませんが、『ここでこのキャラクターが転んだら面白くない?』といった、感覚的なアイデアを出すようにしています。僕の意見はいわば、すり傷を治すようなもので、それに対して田所の意見は大手術になることが多いですね」と語る。

田所は「児玉は、自分は読解力がないと言っていますが、実はメトロンズの核となる爆発力を持っているんですよ。稽古の最初はくすんでいるというか、『大丈夫か?』と思うほどひどいんですが(笑)、物語を自分の中に落とし込めるようになると、とんでもない笑いの爆撃を起こすんです。同期としては正直、悔しいくらいですよ」と絶賛する。

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コントと演劇の違いとメトロンズの強み

コントと演劇の間での苦労について、田所は「これは最大の課題ですね。僕らは20年近くコントをやってきているので、どうしても『この言い方をすれば笑いが取れる』というポイントが反射的に分かります。でも、コント的な笑いを優先してしまうと、物語のリアリティが崩れてしまいます」と話す。

池田は「物語を止めてまでボケたいという衝動、いわば『お笑いの発作』ですね。でも、80分、90分の演劇でそれを連発すると、見ている側は疲れてしまいます。メトロンズでは、あくまでその状況から生まれる『ニヤニヤしてしまうような面白い雰囲気』を大切にしています。今回、11回目にしてようやく、そのあたりの我慢というか、演劇ならではの笑いの作り方がメンバー全員に浸透してきた気がします」と語る。

児玉は「誰かが上に立つわけではなく、フラットな関係で意見を言い合えていますね。僕らが暴走しそうになったとき、同期でもある中村元樹が『それはやりすぎ』とブレーキをかけてくれます。この絶妙なバランスは、ほかの劇団やユニットにはない強みだと思っています」と話す。

メンバーの実体験から生まれたお金にまつわるエピソード

プライベートでは、池田が一番の倹約家だという。池田は「家の電気はこまめに消しますし、手数料を払いたくないので、コンビニではお金を下ろしません。でも若い頃は、変な意地を張って、田所に僕のお金でスロットを打たせて、8万円も使ったことがあります」と明かす。

田所は「お金がなくなるたびに、池田が無言で1万円を渡してくるんです。あのときは本当に恐怖を感じましたよ(笑)。あとは、僕の実家がリサイクルショップをやっている縁で、池田から『10万円でいい感じの家具を買ってきてくれ』と頼まれたこともあります。なのに、僕が何を血迷ったのか、そのお金でスロットの実機を買ってきちゃって……。池田は『家具って頼んだのに、巨大なゴミ(笑)が届いたときは絶句しましたよ。でも最終的には、その台をスロットを愛してやまない先輩のLLR・福田恵悟さんが引き取ってくれて。10万円を預けるバカと、それでスロット台を買っちゃうバカ、そしてそれを引き取るバカ。……振り返れば、僕らの周りにはそんなバカげた話ばかりです』と振り返る。

児玉は「そういうバカバカしい、でもどこか憎めない人間のあり方って、今回の舞台にも通じるところがありますね。劇中に出てくるキャラクターたちも、みんなそれぞれの『バカさ』を持っていて、それが愛おしくもあり、滑稽でもあります。僕らの実体験が作品のエッセンスとして染み込んでいるのかもしれません」と語る。

公演情報とメッセージ

田所は「はっきり言い切れます。今、お笑い界で最も熱い演劇チームは僕らメトロンズです。同期の絆、実力派コンビとしてのプライド、そして中村元樹という演出家――すべての条件がそろっているこのユニットは、唯一無二。見ないと人生、損をすると断言できます」と自信を見せる。

池田は「YouTubeで過去の作品を無料公開しているので、まずはそれを見てみてください。実はお笑い初心者の方でも入りやすい、特殊で面白いことをやっている自負があります。映像で見て興味を持ったらぜひ、劇場に生の舞台を見に来てください」と呼びかける。

児玉は「生でしか味わえない空気、そして僕らが1か月間かけて磨き上げた爆発力を体感してほしいです。9月、劇場でお待ちしています!」と締めくくった。

公演は赤坂RED/THEATERで開催。チケットは劇場での観劇が前売・当日共6,000円、U-22が3,000円(FANYチケット前売りのみ)。配信での観劇は3,000円で、販売期限は9月28日(月)12:00まで、視聴期限は9月28日(月)23:59まで。詳細はFANYチケットで確認できる。