国内唯一の動く森林鉄道SL雨宮21号、復活50年 運転するのは町職員
国内唯一の動く森林鉄道SL雨宮21号、復活50年 運転は町職員

北海道の北東部、遠軽町の山あいに汽笛の音が響き渡る。面積の9割以上を森林が占め、林業で栄えた丸瀬布地域では、かつて木材の運搬を担っていた森林鉄道の蒸気機関車(SL)が今も煙を吐いている。SL「雨宮21号」が走るのは丸瀬布森林公園いこいの森。園内に設置された1周約2キロの線路を10分ほどで走る。

木材運搬から住民の足まで、雨宮21号の歩み

雨宮21号は昭和3年、東京の「雨宮製作所」が製造。最盛期に総延長が84キロあった武利意・上丸瀬布森林鉄道に導入され、国鉄の駅近くまで切り出された木材を運び活躍した。馬や徒歩で移動していた時代、住民の足でもあった。

昭和30年代に入ると、SLは燃料効率のよいディーゼル機関車に置き換わった。さらに木材運搬も鉄道からトラック輸送に替わり、その役割を終えた。廃止後、雨宮21号には車両のスクラップ化や群馬県内の林業施設への移管が計画される危機が訪れたが、そのたびに住民が町内での保存を訴えてきた。

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住民の熱意で復活、現在は町職員が運行

保存活動に携わった川口昇さん(87)は「たくさんの署名がすぐに集まった」と振り返る。少年時代に森林鉄道に1度だけ乗った川口さんは「揺れがすごくて、振り落とされそうになった。ニ度と乗るもんかと思った」と苦笑いするが、「雨宮21号は町の歴史そのもの」と思いを語る。

住民の熱意もあり、難を逃れた雨宮21号は昭和57年に現在の線路が完成し、再び汽笛を響かせ始めた。木材ではなく人を乗せて。現在、雨宮21号を運転する機関士は町の職員だ。上戸智仁さん(55)は「昔の人たちが守ってきた町の財産。その火を絶やさないように大切に走らせていきたい」と日々、石炭をくべている。

国内唯一の稼働する森林鉄道SLとして

丸瀬布は森林鉄道で活躍したSLが稼働している国内唯一の場所として多くの人が訪れる。客車に乗り込み、煙のにおいや汽笛の音、がたがたと揺れる振動を感じる。車庫に収まったままではわからないSLの迫力。地域の宝は走り続けることで、いつまでも輝きを放ち続ける。

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