「今、手一杯」を「お力を貸してくれませんか」に言い換える効果
仕事を頼むとき、「今、手一杯なので、コレお願いできますか?」と言うのではなく、「〇さんのお力を貸してくれませんか?」と頼むことで、相手への敬意が伝わり、協力を得やすくなる。これは、元NHKキャスターで奈良テレビ放送アナウンサー・記者の釜本莉奈氏が著書『選ばれ続ける人だけが知っている 言いかえの作法』(日本能率協会マネジメントセンター、1760円)で提唱する言葉選びの一例だ。
単なる言い換えテクニックではない
本書は5刷、1万3000部を達成し、多くの読者の共感を呼んでいる。釜本氏は以前、人とのコミュニケーションが苦手だったという経験から、対人関係構築が上手な人々を観察し、彼らがなぜ周囲から信頼されるのかを分析。その結果、言葉遣いの巧みさが鍵であることを発見した。ただし、本書は「問題があります」を「改善の余地があります」と言い換えるような安易な指南本ではない。
言葉遣いは「物事の捉え方の再構築」
釜本氏は、言葉遣いを変えることは世界への向き合い方を変えることであり、人と自分との調和点を見いだすことだと説く。読者が学ぶべきは、「こういう時は、こう言えばいい」という一対一対応の言い換え法ではなく、「反省→観察→思考→発見→言い換えへの落とし込み」という知的プロセスそのものだ。このプロセスを実践し続けることで、読者も「選ばれ続ける人」になれると著者は主張する。
著者プロフィール
釜本莉奈氏は奈良県宇陀市出身。元NHKキャスター、奈良テレビ放送アナウンサー・記者を経て、現在は「人・組織の魅力を言語化する専門家」として活躍。アナウンサー経験を生かし、企業や大学で話し方の研修を担当している。本書は、そうした実践知を基に、信頼される人の言葉遣いを体系化した内容となっている。



