「築城」に焦点を当て、近世に建てられた城の魅力を伝える企画展が、福山市西町の県立歴史博物館で開かれている。広島城や福山城、岡山城などの絵図や古文書、模型など約130点を通して、現代人をも引きつける秘密に迫る。9月6日まで。
中世と近世の城の違いを解説
尾根など地形を生かして山に築かれた中世の城と、石垣や堀を造り、天守や櫓などを構えた近世の城との構造の違いをイラストのパネルで解説。岡山城の建物をまとめた「牙城郭櫓実測図」からは、櫓や城門、土塀など建物の多様さがうかがえる。
城下町としての役割も紹介
江戸時代に製作された「備後国福山御城下絵図」には、堀と海を結ぶように流れる運河が描かれている。村田晋主任学芸員は「城造りは城下町造りでもあり、戦いに備えるだけでなく、流通ルートを整備して商業の発展につなげようとしていた」と説明する。
築城には、膨大な建設資材と工事に携わる人員が必要で、三原城の場合、廃城の石垣を流用したと紹介。安土城(滋賀県近江八幡市)では、約1万人が3日間昼夜を問わずに石を山上に運んだ記録を「信長記」で伝える。
権威の象徴としての城
さらに、毛利輝元が城主だった時期に作られ、金箔が施された広島城のしゃちほこを展示。「近世の城は権威の象徴の意味もあった」と村田主任学芸員。「展示を見て城を訪れると、また違った魅力に気付いてもらえるのでは」と話す。
月曜休館。入館料は一般1000円、高校・大学生500円、小中学生350円。問い合わせは同館(084・931・2513)。



