浜松の古民家で俳優向け演技合宿、延べ150人超受け入れ 辻村草太さん
浜松の古民家で俳優向け演技合宿、延べ150人超受け入れ

浜松市天竜区の古民家で、現役の俳優や俳優を目指す若者を対象にした少人数制の演技合宿を主宰する「JIKKA(ジッカ)」の代表を務める辻村草太さん(39)が、俳優たちの悩みを受け止め、応援を続けている。昨年6月の開始以降、ほぼ月2回のペースで開催し、映画の主演経験者も含め延べ150人以上を受け入れてきた。

古民家での2泊3日の合宿

2泊3日の合宿では、演技講習に加えて森林浴、座禅、仲間との対話などを通じ、演技に必要な心と体を作り上げる。指導は掛川市在住の俳優育成スクール代表、皆川真澄さんに委ね、自身は相談相手として寄り添う。

大事にしているのは「楽しい人生にしてほしい」という考えだ。だから演技に悩んだり将来に不安を持ったりしている参加者の話には、夜遅くまで耳を傾ける。合宿を終えると「みんな自己肯定感が上がり、芝居も表情もガラッと変わる」という。

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マネジャーからメンターへ

学生時代から人と向き合う仕事に興味があった。大学で心理学を専攻し、臨床心理士を目指していたが、「勉強嫌いが研究を続けるのは難しい」と方向転換。バイト先で知り合った人からの助言も受け、東京の大手芸能事務所にマネジャーとして入った。

転機となったのは、入社4年目に担当した若手女優の「辻村さんが私の人生を背負ってくれるんですね」という一言だった。マネジャーの存在意義に初めて気付かされ、「自分が頑張らなければ俳優が売れない、ダメになってしまう」との思いを強くした。

ジッカ設立と今後の展望

その後、新人発掘や事務所全体の戦略責任者、外部のオーディション審査員など順調に仕事の幅を広げる一方、様々な壁や悩みにぶつかって俳優業を断念する多くの若者も見てきた。「組織の枠を超えて、悩んでいる人たちに自分の経験を還元したい」との思いを強め、2024年に退社してジッカを設立。俳優らの相談に応じながら、マネジャー時代に取得していた古民家を活用した演技合宿を活動の軸とした。

今では「国内唯一の俳優のメンター」を自任する。「演技を見た人に『すごい』と思わせるような技術や人間性を身に付けてもらいたい。その応援になるなら何でもやる」。メンタリングの技術も本格的に学び、就職活動を控えた高校生向けの講演を行った。今後は企業研修の講師も視野に入れている。

「理屈抜きで地元が好き」で、将来の夢は静岡県からスターを輩出すること。沼津市出身の俳優、磯村勇斗さんとも交流があり、「静岡県という共通項で一気に距離が縮まる」という。演技合宿の参加者はほぼ東京や大阪の事務所に所属する俳優だが、「静岡で俳優を目指している人はぜひ連絡してほしい。全員を受け止める自信がある」と力を込める。

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