第78回正倉院展が奈良で開幕、胡瓶や密陀彩絵箱など宝物がずらり
第78回正倉院展が奈良で開幕、胡瓶や密陀彩絵箱など宝物がずらり

奈良市の奈良国立博物館で24日、「第78回正倉院展」(主催・奈良国立博物館、特別協力・読売新聞社)が開幕し、午前8時の開場から多くの来館者が訪れた。会場では、シルクロードを通じて奈良に伝わった宝物に見入る人々の姿が見られた。

西方スタイルの水差し「胡瓶」に注目

今回の見どころの一つは、西方スタイルの水差し「胡瓶(こへい)」だ。初めて訪れたという東京都江東区の看護師の女性(50)は「漆胡瓶(しっこへい)」について、「ふくらんだ胴部など、なぜこんな形なのかが気になった」と不思議そうに話した。「白瑠璃瓶(はくるりのへい)」を見た広島県福山市の会社員の男性(58)は「透明なまま、当時の色を保っているのはすごい」と感動していた。

緻密なデザインの宝物に来館者も見入る

緻密なデザインの宝物も豊富だ。家族で訪れた大和郡山市の高校3年生(18)は、献物箱「密陀彩絵箱(みつださいえのはこ)」に描かれた鳥や唐草の文様を見て、「中央部分を囲うようにした配置が美しい。一つ一つの文様の作りも細かくて引き込まれた」と興味津々だった。御所市の会社員の女性(33)は、方形の鏡「鳥獣花背方鏡(ちょうじゅうかはいのほうきょう)」をじっくり鑑賞し、「背面の獅子がよくわかった。鏡面も見てみたい」と笑顔を見せた。

蓋付き容器「合子」も複数出展

蓋付き容器「合子(ごうす)」は複数出展されている。津市の公務員(40)は、金泥と銀泥で華やかな花鳥文様が施された木製の碁石入れ「金銀絵碁子合子(きんぎんえのきしのごうす)」について、「蓋の表面に見える木目がデザインの一部になっていて、当時の技術の高さを感じた」と絶賛した。透かし彫りが目を引く「金銅花形合子(こんどうのはながたごうす)」を鑑賞した岐阜市の会社員の男性(25)は「金色がくすまずに残っていて、厳かな雰囲気だった」と話していた。

こども記者の新聞展示も

奈良国立博物館の地下回廊では、9月に宮内庁正倉院事務所(奈良市)で開かれたイベント「こども記者in正倉院」に参加した児童、生徒が制作したオリジナル新聞が展示されている。子どもたちは初めて訪れた宝庫・正倉(国宝)で感じた空気感や率直な驚き、感動などを記事にし、記事に合うイラストや写真を添えてまとめている。新聞のタイトルや「奇跡のタイムカプセル正倉院正倉」などの見出しにも、子どもたちならではの視点が生かされている。