宮崎県川南町の乳業メーカー「アリマン乳業」が生産する「トロントロン牛乳」は、低温殺菌製法で生乳本来の風味を守り、地元で親しまれている。同社は廃棄していたホエイを活用した新商品の開発にも乗り出している。
低温殺菌が生む濃厚な味わい
「トロントロン牛乳」は、川南町の地名にちなんで名付けられた。国内で広く流通する牛乳は120度以上で2~3秒殺菌する超高温殺菌が一般的だが、同社は65度で30分かけてゆっくり殺菌する方法を採用する。代表の三浦崇さん(38)は「効率は悪いが、時間をかけた分だけ、生乳本来の甘みが守られる」と話す。
口に含むと濃厚なコクと自然な甘さが広がるのが特徴で、地元のスーパーなどで購入できる。原料には町内の酪農家が生産した生乳を中心に使っている。
家業を継ぐまでの歩み
三浦さんの祖父が1978年に牧場から牛乳生産に乗り出したのが始まり。後を継いだ父の代で低温殺菌製法を取り入れた。三浦さんは小学4年から朝5時に起きて牛乳配達を手伝い、中学・高校でも柔道に励みながら配達を続けた。専門学校卒業後はアリマン乳業に就職したが、ソフトクリームや生キャラメルの販売・製造が軌道に乗らず、3年ほどで退職。その後、別の仕事を経て家業の経営難を知り、現在に至る。
廃棄ホエイからの新商品開発
同社は製造過程で出るホエイ(乳清)の廃棄に悩み、その活用方法を模索してきた。新商品の開発を通じて、廃棄物を減らしながら地域に新たな価値を生み出す取り組みが進められている。三浦さんは「川南町からおいしい乳製品を届けたい」と意気込みを語る。