第83回ベネチア国際映画祭が9月2日(現地時間)、イタリアで開幕する。最高賞・金獅子賞を競うコンペティション部門20作品には是枝裕和監督(64)と塚本晋也監督(66)の作品が出品された。世界的にも高い知名度を誇る両監督の作品に、受賞の期待がかかる。
日本人監督の出品は3年ぶり
日本人監督の作品がコンペに入ったのは2023年に次点の銀獅子賞(審査員大賞)を受賞した「悪は存在しない」(濱口竜介監督)以来、3年ぶりとなる。
是枝監督の「ルックバック」は藤本タツキの人気漫画が原作で、漫画を深く愛する2人の少女が創作に情熱をかける物語。5月のカンヌ国際映画祭に「箱の中の羊」を出品したばかりで、三大映画祭に連続しての出品となる。ベネチアのコンペも4度目だ。
塚本監督は戦争の加害者責任に迫る
塚本監督の「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」はベトナム戦争で心に傷を負った元兵士の手記が原作。近作で戦争の実相を描いており、今作では戦場での加害者責任に迫る。塚本監督もコンペは4回目の選出で、それ以外の部門でも複数回の出品がありベネチア常連と言える。
パリ在住の映画評論家・佐藤久理子さんは「両監督とも国際的な評価は十分。是枝監督は持ち味である思春期の若者を描く作品で、期待できる。塚本監督は新作を撮るたびにベネチアに出品されている。受賞もありえる」と期待を語る。
オープニングはマードック描く「INK」
オープニング上映はダニー・ボイル監督(英)がメディア王ルパート・マードックの若き日を描く「INK」。この他、コンペ作は巨匠の作品が並ぶ。ただし、今年は女性監督の選出は1人だけだった。佐藤さんは「三大映画祭では開催国の監督が重点的に出品される。イタリアでは有望な女性監督が育っていないとも言えそう」と語る。
受賞結果は12日夜に発表される。



