7月3日に国内で劇場公開されたディズニー・ピクサーのアニメ映画「トイ・ストーリー5」の全編映像が、X(旧Twitter)上で一時拡散されていたことが明らかになった。映画館で盗撮されたような粗悪な動画ではなく、高画質な映像データそのものが流出した可能性が高く、すでにアカウントは削除されたものの、投稿から約7時間半で約150万回再生されたとみられる。
流出の経緯と被害規模
問題の投稿を行ったXユーザーのアカウントの所在地はフィンランドとされていた。7月9日正午ごろにアップロードされた動画は、1時間42分の本編映像がまるごと流出しており、字幕や吹き替えはなかった。
当該の投稿は、同日夕方には「著作権者からの申し立てにより無効」とされ、閲覧できない状態になり、その後削除された。10日には再び同様の内容が投稿されたが、その後アカウント自体が削除されたとみられる。同じアカウントでは、6月12日に日本で劇場公開されたマイケル・ジャクソンの半生を描く伝記映画「Michael/マイケル」の本編映像も違法に投稿されていた。
映像作品の本編がネット上で拡散される事態は、近年半ば常態化しつつある。日本のアニメ制作会社や出版社などが加盟する団体「コンテンツ海外流通促進機構(CODA)」は流出経路について、「公開、配信前の映像データがまるごと盗まれたか、内部の者が流出させた可能性も考えられる。極めて悪質だ」と指摘する。
法的な問題と被害額
著作権法上、違法にアップロードされたコンテンツであると知りながら動画をダウンロードする行為は私的使用の範囲外となり、2年以下の懲役、もしくは200万円以下の罰金、またはその両方が科せられる可能性がある。
映画の違法アップロードを巡っては、映画を10分程度に短く編集したいわゆる「ファスト映画」を無断でアップロードした被告に対し、大手映画会社やテレビ局などが損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁が著作権侵害を認め、5億円を支払うよう命じたケースがある。この訴訟で、原告側は視聴者が動画投稿サイト「YouTube」で映画を一時ストリーミング視聴(レンタル)する場合、その価格が400円を下らないと主張。これに従うと、今回の「トイ・ストーリー5」の被害額は単純計算で6万円に相当する。
業界団体の注意喚起
業界団体は「違法に投稿された動画は絶対に再生しないでほしい」と強く注意を呼びかけている。映画の違法アップロードは著作権を侵害する行為であり、拡散を防ぐためにも視聴者の協力が不可欠だ。



