ディズニー&ピクサーの大ヒットシリーズ最新作『トイ・ストーリー5』が公開中だ。本作では、最先端タブレット「リリーパッド」が初登場し、デジタル時代ならではのテーマが描かれる。ウッディ役の日本版声優を30年間務める唐沢寿明と、新キャラクター・リリーパッド役の広瀬アリスが、作品に込められた「友達」のメッセージについて語った。
デジタル機器の登場で揺れるおもちゃたち
本作の舞台は、ボニーの家。おもちゃたちは楽しく暮らしていたが、子どもたちがデジタル機器に夢中になる中、ボニーの家にもタブレット「リリーパッド」がやってくる。リリーパッドはボニーがおもちゃ遊びを卒業し、周囲の子どもたちに溶け込めるように導こうとするが、その行動は一見“悪役”にも映る。広瀬は「おもちゃと対立はするのですが、リリーパッドにはリリーパッドなりに正義があって、ボニーを思ってのこと」とキャラクターへの理解を示し、「今の時代を本当にしっかり描いている作品だと思いました」と語った。
唐沢は、デジタル機器がテーマになっていることについて、「30年前の1作目では、アンディが新しくやってきたバズに夢中になって、ウッディは嫉妬していた。今回はその相手がリリーパッドになっただけ」と分析。「子どもが新しいものに惹かれるという構図は昔から変わらない」と指摘した。
置き去りにされるおもちゃの切なさ
さらに唐沢は、「子どもが新しいおもちゃに夢中になるのは自然なこと。でも、置き去りにされたおもちゃの気持ちを考えると、この作品はすごく切ない物語でもある」と語る。今回もスマーティー・パンツやアトラス、スナッピーのように、まだ使えるのに忘れられてしまったおもちゃが登場する。唐沢は「そういうおもちゃたちの感情がうまく描かれているところも『トイ・ストーリー』の魅力の一つ」と強調した。
「本当の友達」の難しさ
劇中では、「友達」や「つながり」の大切さも大きなテーマとして描かれる。唐沢は「本当の友達ってなかなかできづらいと思う」と切り出し、「よくよく考えてみたら、ただの知り合いなのかもしれないし。だから作品の中でボニーが友達づくりに悩んでいる姿が刺さるんじゃないかな。みんな簡単にはできないって知っているから」としみじみと語った。その直後、唐沢は「友達と言ったら、アリスしかいないでしょ。広辞苑で『友達』って調べたら広瀬アリスの名前が出てくる」と冗談を飛ばし、広瀬をタジタジにさせた。
広瀬は「勘弁してくださいよ。私、友達は多いほうではないので」と苦笑い。改めて広瀬は、「劇中でも描かれていますが、今はみんなタブレットの画面を見て、その中でつながりや絆を作っている時代。でも私は、一人でも理解してくれる友達がいればいいと思っています」と自身の考えを明かした。
大人が泣ける理由
広瀬は「ブレイズがブタのジミー・ディーンを大切にしているように、私はワンちゃんを飼っているので、近くに一人でも二人でも自分を理解してくれる人や、ワンちゃんのような大切な存在がいれば十分。だから今回の作品は大人のほうが泣いてしまうかもしれません」と語った。
唐沢は、「『トイ・ストーリー』は、子どもが寝た後におもちゃが動き出すという設定から始まっている作品。だから時代が変わっても物語そのものは色あせない。今あらためて1作目を見ても古さを感じないんですよ」と語り、「デジタルが登場しても、『トイ・ストーリー』の本質は昔から変わらない」と力を込めた。
唐沢寿明、30年の愛着を語る
唐沢は「毎回、『これがウッディを演じる最後かな』と思ってますよ」と笑いながら振り返り、「『4』から7年も経っているんだから。もう少しマメにやってほしい。半年に1回とか、1年に1回とかね」と冗談交じりにコメント。30年にわたってウッディを演じ続けてきたからこその、シリーズへの深い愛着をのぞかせていた。



