映画「男はつらいよ」シリーズの熱狂的ファンが一堂に会する「ファン感謝祭」が今年も開かれ、山田洋次監督(95)らが登壇。質問に答えるなどして大いに盛り上がった。
イベントは、シリーズ第1作「男はつらいよ」(昭和44年)の公開日にちなみ8月27日、寅さんゆかりの東京都葛飾区にある映画館「MOVIX亀有」で開催された。山田監督が原作・脚本を手掛け、渥美清が主人公の寅さんを演じた同シリーズは、総観客動員数が8000万人を超える国民的映画シリーズ。「ファン感謝祭」は一昨年、第1作の公開から55年の節目に始まった。
3度目の開催、ゲストが熱弁
3度目となった今年は、山田監督のほか、お笑いタレント、劇団ひとり(49)、シリーズで店員の三平役を演じた北山雅康(59)が参加。第17作「男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け」(同51年)の上映も行われ、同作が大好きだという劇団ひとりが熱心な感想や分析を披露して、会場を沸かせた。
劇団ひとりの熱弁に誘われ山田監督は同作のマドンナである太地喜和子について「本当に、いい女優だった」と振り返った。寅さんを見送る場面で、太地はピョンピョン飛び跳ねたという。「僕が指示した芝居じゃないんですけど、見ていて、わあ、すてきだと思ったね」
「寅さん vs AI」への持論
口上とともに怪しげな商品を露天で売ることを生業とした寅さん。会場から「現代なら寅さんは何を売るか?」と問われ、山田監督は「しいていえば本じゃないかな? 『人工知能(AI)の利用の仕方』っていう。寅さんが売るってことは、その本の中身は全部いんちきだ」と笑った。
さらにAIへの所感も問われ、「今、人類が逢着している大問題について、僕がここでしゃべるんですか?」と困惑したが、「実は、一日に何度もそのことを考えています」と次のような持論を展開した。「飛行機や汽車のときは、科学技術の進歩は、おめでたくて喜ばしくて、すばらしいことだった。でも、AIについては、多くの人が不安の中にいる。僕もその一人ですね」
監督の感謝の言葉
青いシャツに腹巻姿で寅さんにふんした若いファンの姿も多く見られた会場。山田監督は、「この中には、第1作のときは生まれていなかった人も大勢いるでしょう。長い年月をへて、いまだにファンですと、こうして来てくださる人がいる。監督として、とても幸せだと思います」と笑顔で感謝の言葉を述べた。



