映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』(7月31日公開)のグローバル記者会見が17日、米ニューヨークで行われ、主演のトム・ホランド(29)とデスティン・ダニエル・クレットン監督が、本作で徹底的にこだわった「ニューヨークらしさ」について語った。
ニューヨークは「もう一人の主役」
「スパイダーマンとニューヨークは切っても切れない関係。あなたにとってニューヨークとはどんな街ですか」という質問に、ホランドは「僕が一番好きなのは“人”です」と即答した。「ニューヨークは、ただ座って人間観察をするだけでも世界最高の街なんです。そしてスパイダーマンも、その人々、そのコミュニティの一員であることが本当に素晴らしいと思います」と語った。
その街の空気を表現するため、美術チームは驚くべきスケールでセットを制作した。ホランドは「チャーリー・ウッドという素晴らしいプロダクションデザイナーが、ロンドンのパインウッド・スタジオに4ブロック分のニューヨークの街並みを丸ごと建てたんです」と明かし、「セットに足を踏み入れると、本当に自分がどこにいるのか分からなくなるほどでした」と振り返った。その完成度の高さによって、クレットン監督は「実際にニューヨークにいるかのような自由度」で撮影できたという。
さらにホランドは、「ニューヨークは、この映画において今日ここに座っている僕たちと同じくらい大きな“キャラクター”なんです」と表現。街そのものが物語を支える重要な存在になっていると語った。
リアルさへの徹底したこだわり
クレットン監督も、撮影前に美術や撮影など各部門の責任者をニューヨークへ連れ、街を歩き回ったことを明かした。「みんなで写真を撮りながら歩いていると、それぞれのアーティストが街のどこに惹かれるのかが分かるんです」と説明。なかでも印象的だったのが、美術を担当したチャーリー・ウッドの行動だった。「気がつくと彼がいなくなっていて、『チャーリーはどこだ?』と探したら、道路の向こうで壁のレンガをずっと触っていたんです。本当に熱心に質感を確かめていました」と振り返り、その後「なぜ自分はこんなにレンガが好きなのか」を熱弁されたと笑いながら語り、「映画を観てもらえれば、そのレンガの素晴らしさが分かります」とユーモアたっぷりに述べ、会場の笑いを誘った。
リアルさへのこだわりは細部にも及んだ。ホランドは、自身の弟パディ・ホランドが美術部として参加していたことを明かし、「彼はチューインガムを噛んでは地面に吐き出し、それを踏みつけて、また別の場所で同じことを繰り返していました」と告白。さらに、道路の白線をナイフで削り、長年使い込まれた道路の風合いまで再現していたといい、「そういう“本物らしさ”へのこだわりが本当に素晴らしかった」と絶賛した。
映像づくりの参考作品と象徴的なシーン
クレットン監督は本作の映像づくりについて、「ニューヨークで撮影された映画を数多く研究しました」と説明。特に参考にした作品として、2025年のカンヌ国際映画祭で上映されたインディーズ映画『Lucky Lu』を挙げ、「ゲリラ撮影による、とてもリアルで泥臭いニューヨークが映し出されていました。僕とチャーリー、撮影監督のブレットは何度も見返しました」と明かした。
一方、長年『スパイダーマン』シリーズを手がけるプロデューサーのエイミー・パスカルは、本作で最もピーター・パーカーらしさを感じたシーンとして、洗濯機の前で一人座る場面を挙げた。「彼は小さなアパートで、洗濯機の中を回るスーツを眺めながら、“街の鍵”を見つめています。本来なら誇らしく思えるはずのものを手にしているのに、その姿を見た瞬間、『これこそがスパイダーマンなんだ』と思いました」と語った。
ヒーローとして街に認められながらも、一人の青年として孤独や葛藤を抱えるピーター。その象徴ともいえるシーンが、本作のテーマを物語っているという。
会見には主演のトム・ホランドをはじめ、ゼンデイヤ、セイディー・シンク、ジェイコブ・バタロン、ジョン・バーンサル、デスティン・ダニエル・クレットン監督、プロデューサーのケヴィン・ファイギ、エイミー・パスカルが出席した。『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は7月31日公開。



