映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』のグローバル記者会見が17日、米ニューヨークの「Edge NYC」で行われ、フランク・キャッスル/パニッシャー役のジョン・バーンサルが、マーベル映画への本格参戦にあたり抱えていた葛藤を明かした。パニッシャーはスパイダーマンのコミックで初登場したキャラクターで、Netflixドラマなどで描かれてきた過激な世界観をどう落とし込むのか注目されていた。
パニッシャーの世界観をどう融合させるか
司会者から「フランク・キャッスルが、この世界にどうなじむのか疑問はありましたか」と問われると、バーンサルは「もちろんです」と即答。「僕はフランクのことをものすごく大切に思っていますし、パニッシャーのファンや、彼が象徴するものに対しても強い責任感があります。だから、『どうやって成立させるのか』という疑問は、僕自身にも本当にありました」と語った。しかし、その不安は製作陣全員が共有していたものだったという。
「デスティン・ダニエル・クレットン監督、プロデューサーのケヴィン・ファイギ、エイミー・パスカル、トム・ホランド、そしてチーム全員が同じ懸念を持っていました。芸術というのは、問題から逃げず、その核心に向き合ったときにこそ良いものが生まれる。観客も同じ疑問を抱くはずだと考え、それを尊重しながら作品を作り上げました」とバーンサルは説明した。
目指したのは、「パニッシャーが、TV-MA(17歳未満の視聴には不適切)指定のドラマの世界からそのまま歩いて、このセットに立っても違和感がなく、逆にこの作品の世界からTV-MAの世界へ戻っていける」ことだったという。「観客にも、その説得力を感じてもらえると思います。同時に、この映画ならではのトーンや、デスティンが築いた世界観への敬意も大切にしました」とバーンサルは付け加えた。
トム・ホランドが語る化学反応
主演のトム・ホランドも、スパイダーマンとパニッシャーという正反対のヒーローが生み出す化学反応に大きな手応えを感じている。「この違いが、一緒に出るすべてのシーンに完璧な対立構造を与えてくれました。その対立がどう解消されていくのかが、本当に気持ちいいし、同時に少し怖くもあるんです」とホランド。撮影では、長年の友人でもあるバーンサルとの関係性が、そのまま芝居にも生きたという。
「ジョンと僕が現場に来ると、仲のいい友達だということは誰の目にも明らかでした。その裏側の関係性が、スクリーン上の関係にも自然と反映されました」とホランドは説明。さらに、「ジョンは業界でもトップクラスの即興演技の名手」と絶賛し、「現場では笑いが絶えなくて、僕はマスクをかぶっているので、シーン中に吹き出してもバレないんです」と笑顔を見せた。
17歳からの友情、再共演に感慨
会見では、バーンサルが長年の友人でもあるトム・ホランドとの再共演について語る場面もあった。バーンサルは、ホランドが17歳だった頃から交流があることを明かし、「この仕事で一番素晴らしいのは、道のりで出会う人たちです。トムは僕にとって最高の仲間なんです」と笑顔。「あれほどの集中力や献身、自分を信じる力を持った若者を見たことがありませんでした。そして彼は本当に夢をつかみ取った」と、下積み時代を振り返った。
さらに、「アイルランドの小さな部屋で一緒にオーディションテープを必死に撮っていた頃が、まるで嘘のようです」と感慨深げに語った。するとクレットン監督が「あのイケてる髪型でね」と茶々を入れ、ホランドは「あの髪型でよく仕事がもらえたなというレベルの奇跡だよ」と自虐気味にコメント。バーンサルは「いや、俺はカッコいいと思ってたぞ」とフォローし、会場は笑いに包まれた。
トーン調整への挑戦と期待
ホランドは最後に、「ハードなキャラクターを、この世界へどう自然に溶け込ませるかは本当に大きな挑戦でした。でもデスティン監督は、そのトーンの違いを見事に扱ってくれました。フランク・キャッスルというキャラクターを一切損なうことなく描けています。それは今日ここにいる全員にとって、とても重要なことでした」と強調。その上で、「観客がスパイダーマンとフランク・キャッスルの関係をどう受け止めるのか、本当に楽しみにしています」と公開への期待を語った。
会見には主演のトム・ホランドをはじめ、ゼンデイヤ、セイディー・シンク、ジェイコブ・バタロン、ジョン・バーンサル、デスティン・ダニエル・クレットン監督、プロデューサーのケヴィン・ファイギ、エイミー・パスカルが出席した。『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は7月31日公開。



