ノーラン監督最新作「オデュッセイア」、IMAXフィルム全編撮影の挑戦を語る
ノーラン監督「オデュッセイア」、IMAX全編撮影の挑戦語る

クリストファー・ノーラン監督(56)の最新作「オデュッセイア」が11日から公開される。映画史上初めてIMAXフィルムで全編を撮影した作品で、ホメロスの叙事詩を壮大なスケールで映像化している。監督と主演のマット・デイモン(55)が韓国・ソウルで取材に応じた。

16歳の夢が現実に

紀元前、10年続いたトロイア戦争を終結させたギリシャの島国イタケの王オデュッセウス(マット・デイモン)は、その後10年間消息を絶つ。夫の生存を信じて帰還を待つ王妃ペネロペ(アン・ハサウェイ)のもとには求婚者らが集い、王宮で宴を繰り返している。王の息子テレマコス(トム・ホランド)は父の手がかりを得るべく海へ出て、そこで初めて父の波乱の半生を知る。

ノーラン監督は「『オデュッセイア』は長く故郷を離れることの意味、長旅が人や環境に与える影響を語っている。それは私が過去作で扱ってきたテーマで、物語の原点だ。だからこそ、この物語を伝えなければと自信を持った」と語る。

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IMAXフィルムへのこだわり

ノーラン監督は「ダークナイト」(08年)で初めてIMAXカメラを用い、「オッペンハイマー」(23年)で史上初のIMAXモノクロ・アナログ撮影を実現した。今回もIMAXフィルムを使い、さらなる高精細の映像を追求。航海シーンは本物の船で海へ出て、巨人がそびえ立つ洞窟内の場面も実際の洞窟でロケを敢行した。

ノーラン監督は16歳で初めて見たIMAXに魅了されてきたといい、「フィクションの長編映画、ドラマをIMAXで撮影したら面白いに違いないと、その瞬間に思った。長年の夢がかなった」と振り返る。

制約の中での集中

デイモンは全編IMAX作品に主演した意義を「この喜びはいつまでも忘れない」と語る一方で、「現場の全員に忍耐力が求められた」と明かす。IMAXフィルムは1本で2分半~3分ほどしか撮影できず、「1シーンを撮るのに25分かかったこともあったが、史上初という喜びを感じながら演じたよ」と話した。

ノーラン監督は「頻繁なフィルム交換により、集中力を維持できないのではと心配していたが、これほど全員が集中した撮影は初めてだった」と胸を張る。

本編は2時間52分。もっと長い作品を撮りたかったかとの問いに、ノーラン監督は「作らなかっただろう。俳句と同じように、物語を伝えるための限られた時間があり、100年以上かけて進化してきた芸術形式だ。その枠内で作ることに喜びを感じている」と答えた。

次作については「全く何もわからない。まだこの現実を消化している最中だ。次の作品が最後という覚悟でいつも取り組んでおり、それはいつか現実になるはずだ」と語った。

デイモンは「日本の皆さんの感想が楽しみだ。深い人間ドラマだからみんなにどう響くのか、心待ちにしているよ」と笑顔でファンに呼びかけた。

東京・グランドシネマサンシャイン池袋などIMAX対応の劇場で4~10日に先行上映される。

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