西川美和監督の最新作『わたしの知らない子どもたち』(10月16日公開)が、カナダで現地時間9月10日から20日まで開催される「第51回トロント国際映画祭(TIFF)」のプラットフォーム部門(コンペティション)に正式出品されることが決定した。さらに、日本映画として初めて同部門のオープニング上映作品に選ばれた。
北米最大規模の映画祭、プラットフォーム部門とは
トロント国際映画祭は北米最大規模を誇り、最高賞「観客賞」(ピーブルズチョイス・アワード)は観客投票で決まる。受賞作がその後の米アカデミー賞の最有力候補となることから、「アカデミー賞の行方を占う世界で最も重要な前哨戦」として注目されている。
本作が出品されるプラットフォーム部門は、2015年に新設された唯一のコンペティション部門で、観客賞の対象にもなっている。今年から最高賞「プラットフォーム・アワード」受賞作には米アカデミー賞国際長編映画賞への応募資格が付与される。
同部門のオープニング上映作品は「この部門のレベルの高さを世界に証明し、プログラム全体のトーンを決定づける最重要作」と位置づけられており、本作への期待の高さを示す結果となった。
ワールドプレミアとキャスト・監督のコメント
本作のワールドプレミア上映は、映画祭初日(9月10日)にTIFFライトボックス内の最大規模シアターで行われる予定。
主人公・琴子を演じた小八重葵美は「西川監督やたくさんのスタッフが頑張って準備してきて、撮影もみんなで一緒に頑張ってやってきたので、いろんな人に見てもらえるのはすごくうれしいです」と喜びを語った。
二階堂ふみは「映画祭は国を越えて、映画という一つの文化を共有できる場所だと思います。対立ではなく、想いを寄せ合えるような作品になると思います」とコメント。「世界中で争いが続く今、それぞれが"戦争"についてさまざまな思いや考えを持って、この作品を観てくださると思います」と本作の普遍的なテーマへの思いを明かした。
西川監督も「お知らせを聞いた時は『やったー!』と飛び上がりました。素敵な映画祭なので、私たちの作品を持っていけるのがとてもうれしいです」と喜びを伝え、「子どもから大人までみんなが総力を挙げて挑んだ作品ですし、日本の映画人の"力の結晶"のような仕上がりになっています。世界の人にも作品のクオリティを味わっていただきたい」と期待を寄せた。
作品概要とスタッフ
本作は戦後の日本を舞台に、戦争で家族も居場所も失い、生き延びるために"少女"であることを捨て少年として生きることを選んだ12歳の少女・琴子と、敗戦によってすべてを失った教師・曽根の再生を描く物語。戦後日本の知られざる子どもたちの実話に着想を得て、西川監督が長年温めてきた企画だ。
教師・曽根役を二階堂ふみが演じるほか、音楽は原摩利彦、VFXは『ゴジラ-1.0』で米アカデミー賞視覚効果賞を受賞した白組が担当。新人・小八重葵美の鮮烈なデビュー作としても注目を集めそうだ。



