俳優のリリー・フランキー(62)と橋口亮輔監督が20日、東京・シネマート新宿で行われた映画『ハッシュ!4K』および『ぐるりのこと。4K』(24日公開)の公開記念プレミア先行上映&トークショーに出席した。両作品は橋口監督が手がけた2001年公開の『ハッシュ!』と2008年公開の『ぐるりのこと。』を4Kリマスター化したもの。リリーは『ぐるりのこと。』でブルーリボン賞新人賞を最年長の45歳で受賞しており、今回の4K化に際して「また4Kになって、ずいぶん俺のかわいさが際立っているみたい。お楽しみください」と笑顔で語った。
リリー・フランキー、橋口監督への感謝と教えを語る
リリーは橋口監督との出会いを振り返り、「橋口さんとは映画ライターとして出会った。人のお芝居を見て原稿を書く仕事をして、そこから自分がお芝居をするようになった」と述懐。『ぐるりのこと。』の撮影では、「おけいこの1週間と撮影の2ヶ月で橋口さんに教わった、お芝居はどういうものであるかは今でも守ってやっている。やってはいけないこと、やらなければいけないこと」と明かした。特に「橋口さんは『自分の中にないものは役にならない。いろいろ込めて、コップからこぼれる1滴がお芝居になる』と。そこで教えてもらったことは心にとめている」と監督への敬意を表した。
さらにリリーは「公開初日よりうれしい。長く愛されるものに参加できた。監督も監督冥利に尽きると思う」と述べ、作品の長寿を喜んだ。イベントには田辺誠一、片岡礼子、木村多江も参加し、トークを盛り上げた。
『ハッシュ!』と『ぐるりのこと。』のあらすじと背景
『ハッシュ!』は、土木研究所で働く勝裕(田辺誠一)がゲイであることを隠しながら生きる一方、ペットショップ店員の直也(高橋和也)は明るくゲイライフを謳歌するが虚しさを抱えている。歯科技工士の朝子(片岡礼子)は自己肯定感の低さから愛のないセックスを繰り返し孤独を募らせる。そんな中、朝子が勝裕と直也のカップルのもとに現れ、「付き合ってくれとか、結婚とかじゃなく、あなたの子どもがほしい」と提案。ゲイカップルと独身女性が織りなす「新しい家族のかたち」をユーモラスに描き、2001年カンヌ国際映画祭監督週間に出品され国内外で絶賛された。
『ぐるりのこと。』は、生まれたばかりの子を亡くしうつ病になる妻・翔子と、法廷画家の夫・カナオ(リリー・フランキー)がただ寄り添う姿を描く。バブル崩壊後の1990年代初頭から9.11テロに至る10年間を、社会的事件を背景に描いた物語。橋口監督自身のうつ経験から「人はどうしたら希望を持てるのか」と自問し、「人と人とのつながりの中にしか希望は生まれない」という答えにたどり着いた作品。日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ多数の映画賞を受賞。光石研、加瀬亮、江口のりこ、佐藤二朗ら豪華カメオキャストも注目される。



