ウインドサーファー野口颯さんモデルの映画「波の先へ」来年公開
ウインドサーファー野口颯さんモデル映画、来年公開

18歳未満の世界ランキングで2024年に首位となったウインドサーファー野口颯さん(19、御前崎市出身)をモデルにした映画が完成し、来年11月頃に劇場公開される。静岡県内の映画制作会社が、公立高校の友人や教職員、地域住民に支えられながら成長するアスリートの姿を描き出した。高校の科目「探究」の教材としての普及も目指す。

困難と努力

タイトルは「波の先へ」。野口さんが練習場にしている海を望む御前崎市や、実際に通った県立相良高校のある牧之原市が映画の舞台だ。主人公は数々の競技会で実績を残し、国外遠征で多忙な男子生徒。補習の授業に来ない主人公を若い女性教師が海岸まで探しに行く場面から物語が始まる。

順風満帆のように見える主人公だが、資金不足やケガなどの困難に次々と直面する。その度に、ひたむきに努力する姿に共感した周囲の人たちが、物心ともに支えていく。

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実力派制作陣

映画は「サンライズ」(牧之原市)の最高経営責任者(CEO)・松坂利和さん(55)が企画した。スポンサーを探していた高校2年生(当時)の野口さんと対面し、はつらつと夢を語る姿に「太陽のような子だ」と胸を打たれた。家庭の事情でサッカー留学を断念した自身の過去もあり、「お金で夢を諦めてほしくない」と映画で応援することにした。

企業から協賛金を集めて約5000万円で制作し、撮影では地元住民をエキストラに起用した。監督はテレビドラマの演出を多く手がける植田尚さん。ほかにも国内外で高評価だった映画「カメラを止めるな!」の曽根剛さんが撮影・照明を担当するなど、制作陣には実力派がそろう。野口さんが大学に進学する前の今年2月に完成させた。

探究の授業でマリンスポーツを通じた地域活性化を模索していた野口さんと松坂さんの出会いが、1本の映画を誕生させた。映画には国際大会で地元を盛り上げようとする主人公に力を貸す製茶会社の大人たちの姿も描かれている。

松坂さんは「まだ新しい『探究』とどう向き合ったらよいのか分からない大人が多いのではないか。そんな方のバイブルになれば」と話している。

探究とは

高校の学習指導要領で「総合的な探究の時間」として2022年度に必修化された。よりよい社会を実現しようとする態度を養う。生徒自身が実生活から課題を見いだし、情報を整理・分析し、まとめ・表現することを求める。外部の企業・団体と連携する事例もある。

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