映画『死ぬまでにしたい10のこと』『マイ・ブックショップ』などで知られるイザベル・コイシェ監督の最新作『Tre ciotole(原題)』が、『ムクドリと人生とレモンパスタ』の邦題で11月13日より全国公開されることが決定した。あわせて、ポスタービジュアルと場面写真が解禁された。
恋人との別れから再び世界へ
本作は、イタリア文学の作家ミケーラ・ムルジャが晩年に遺した短編集『Tre ciotole』を原作に、恋人との別れをきっかけに日常の感覚を失った女性が、小さな行為を重ねながら再び世界とつながっていく姿を描く。
高校教師のマルタは、恋人アントニオとの些細な口論をきっかけに、突然ひとりになる。がらんとした部屋で、食べ物の味も光の色も、世界の輪郭さえも感じられなくなっていくマルタ。そんな彼女が始めたのは、3つのボウルに食材を丁寧に盛り付ける、奇妙で静かな“儀式”だった。
小さな出来事がつなぎ直す日常
拾ってきたK-POPスターの等身大パネルとの対話や、キッチンに差し込む光に気づく瞬間、ローマの街を自転車で駆ける時間。日常の中にある小さな出来事が、少しずつ彼女を世界へとつなぎ直していく。
主人公のマルタを演じるのは、『幸福なラザロ』『墓泥棒と失われた女神』などのアルバ・ロルヴァケル。恋人のアントニオ役を、『蟻の王』『シチリアーノ 裏切りの美学』などで知られるエリオ・ジェルマーノが務める。ロルヴァケルの繊細な表情と沈黙の演技、ジェルマーノが見せる内面の葛藤が、2人の“静かな別れ”に深い陰影を与える。
ローマの光と静けさが映す心の動き
コイシェ監督は、流れるようなカメラワークと親密なクローズアップを通して、人生の重大な局面と向き合いながら安らぎを求める女性の姿を描写。フィルム用のヴィンテージレンズで捉えたローマの午後の光や石畳、夜の静けさが、マルタの心の動きと重なっていく。
解禁されたポスタービジュアルには、マルタがローマの街を自転車で駆け抜ける姿を採用。「くだらないことに心をすり減らさないで。あなたの好きに生きてほしい。あなた自身の人生を。」というコピーが添えられている。
場面写真には、晴れやかな表情で窓の外を見つめるマルタと、その背後で彼女の髪に顔をうずめるアントニオの姿をはじめ、マルタが自転車でローマの街を走る様子、K-POPスターの等身大パネルと並んでたたずむ、ユーモラスでどこか切実な一瞬などが収められている。
映画『ムクドリと人生とレモンパスタ』は、11月13日より都内のヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、UPLINK吉祥寺ほか全国で公開される。



