ミケランジェロ・アントニオーニの初期作を集めた特集上映「ミケランジェロ・アントニオーニ レトロスペクティヴ 愛の不毛、彷徨える魂」(配給:ザジフィルムズ)が2026年8月15日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次にて開催されることが発表された。これにあわせ、ポスタービジュアルと予告編が公開となっている。
巨匠アントニオーニ、日本で再評価の機会
ミケランジェロ・アントニオーニは、1950年に『愛と殺意』で長編監督デビュー。一貫して、現代人が抱える孤独や不安、男女間の愛の不毛を描き続け、60年代にはイギリス、アメリカ、中国といった国外でも意欲的に映画製作を行った。カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアの世界三大映画祭全てで最高賞を受賞し、ジャン=リュック・ゴダールは「アントニオーニは、現代映画に最も大きな影響を与えた映画監督だ」と功績を讃え、マーティン・スコセッシも「好奇心と精密さを兼ね備えた創造的自由の精神を体現する映画作家」と敬愛している。ほかにもアンドレイ・タルコフスキー、テオ・アンゲロプロス、スタンリー・キューブリック、デヴィッド・リンチ、ブライアン・デ・パルマ、ダリオ・アルジェント、ガス・ヴァン・サント、ウォン・カーウァイなど彼から影響を受けた映画監督たちは枚挙にいとまがなく、イタリアが誇る20世紀を代表するシネアストだ。
上映作品ラインナップと修復版の詳細
2024年4月にフランス・パリのシネマテークで開催されたレトロスペクティヴをきっかけに、世界的に再評価が高まる中、日本でも特集上映の開催が決定。今回上映されるのは、資本家とその妻、そして妻の元恋人が織り成す愛憎劇をノワール調に描いた長編デビュー作『愛と殺意』、ヨーロッパの三都市を舞台に罪を犯す若者たちの行く末を描いた群像劇のオムニバス『敗北者たち』(1953)、トリノで偶然出会った女性5人の不安定な関係性を見つめ、第16回ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞した『女ともだち』(1955)、アントニオーニの代名詞となる男女の愛の不毛を描き、論争を巻き起こしながらも第13回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した代表作『情事』(1960)、そしてアントニオーニ初のカラー作品で、アントニオーニのミューズであるモニカ・ヴィッティ演じる主人公の苦悩を鮮烈な色彩描写で活写し、第25回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞に輝いた『赤い砂漠』(1964)の全5作。
『愛と殺意』『敗北者たち』は今回が国内での一般劇場初公開、素材はすべてがデジタルリマスターされたもので、『愛と殺意』『情事』『赤い砂漠』は4K修復版、『敗北者たち』『女ともだち』は2K修復版の新素材での上映となり、日本のスクリーンで上映されるのは今回が初となる。
予告編とポスタービジュアル公開、特典情報も
今回の発表にあわせて、予告編とポスタービジュアルが公開となった。ポスタービジュアルは、『情事』から無人島で風に吹かれて髪がみだれながらも、目を奪われる表情でこちらを見つめるモニカ・ヴィッティ演じるクラウディアと、ガブリエル・フェルゼッティ演じるサンドロの背中が象徴的に配置されたスタイリッシュなビジュアル。予告編では、"愛の不毛"さを予感させる『情事』のワンシーンからスタートし、今回の上映される5作品が紹介される。
シアター・イメージフォーラムでは、日本版ビジュアルポストカード付の全国共通1回券(1,300円)と、オリジナルポストカード6枚セット付の全国共通3回券(3,600円)が販売中。メイジャー・ネット通販でも7月3日より発売されるほか、全国の上映劇場でも販売が予定されている。



