四宮義俊監督の初長編アニメーション映画『花緑青が明ける日に』が、フランスで開催された「アヌシー国際アニメーション映画祭2026」(現地時間6月21日~27日)の長編コントルシャン部門で審査員賞を受賞した。日本画家として知られる四宮監督は、アニメーション作品やCM、ミュージックビデオなど幅広い分野で活躍してきた。本作は四宮監督自身のオリジナル脚本によるもので、第76回ベルリン国際映画祭コンペティション部門にも選出されている。
幻の顔料「花緑青」が題材 花火工場を舞台にした2日間
タイトルの「花緑青(はなろくしょう)」は、燃やすと青く発色する緑色の顔料で、かつて花火の材料として使われていたが、毒性のため姿を消した幻の顔料である。物語は創業330年の花火工場・帯刀煙火店を舞台に、再開発による立ち退きを目前に控えた2日間を描く。幻の花火「シュハリ」と、そこで育った若者たちの未来をめぐる物語で、声優初挑戦の萩原利久と古川琴音がダブル主演を務め、入野自由や岡部たかしも出演している。
日本から最多25作品選出 上映チケットは数分で完売
今年のアヌシー映画祭には、日本から過去最多となる25作品が選出された。本作は独創性や実験的なアプローチを重視する長編コントルシャン部門に選ばれ、全8回の公式上映チケットが数分で完売するなど高い注目を集めた。会期中には四宮監督と、劇中のストップモーションシーンを担当したヴィクトル・アジュラン氏によるトークイベントも行われた。
四宮監督「考えるきっかけとなる映画に」
27日の授賞式で四宮監督は、「環境問題やエネルギー問題の深刻化が取り沙汰される昨今、エンターテインメントやアート作品がどのような役割を担えるのか、そして役割を担い続けることができるのか。会場にいる皆さんと一緒に考えるきっかけとなる映画になればいいなと思っています」と喜びを語った。
フランスでの展示とQ&A上映、世界展開も
6月30日から7月4日まで開催される「アヌシー映画祭2026 in Paris:日本映画セレクション」では、劇中のストップモーションシーンで使用された帯刀家の模型などの展示や、四宮監督によるQ&A付き上映が実施される。これにあわせて四宮監督描き下ろしの新ビジュアルも公開された。
日本ではロングラン上映中 海外公開も続々
日本では今年3月の公開以降、ロングラン上映が続いている。9月11日にはBlu-ray&DVDの発売も決定。すでに台湾、香港、ルーマニアで上映が始まっており、8月12日からはフランスでも公開。さらにドイツやイタリアなどでの公開も予定されており、日本発のアニメーション作品として世界へ広がっている。



