丸山隆平、半自伝的舞台『water』で“丸山隆平役”に挑戦「自分を1回解体して再構築」
丸山隆平、半自伝的舞台で丸山隆平役に挑戦

SUPER EIGHTの丸山隆平と、ダンスユニットs**t kingzの持田将史が26日、東京・新大久保の東京グローブ座で、藤田貴大の作・演出による舞台『water』の取材会に参加した。

タイトルに込められた京都と水のつながり

タイトルの『water』に込められたメッセージについて、藤田は「丸山さんの出身地の京都という土地を調べていくと、水にどんどんつながっていったので。あと丸山さん自身の幼少期からグループになってとか、そういう流れのことを描いているので『water』というタイトルにしました」と明かした。

丸山と藤田は2人で京都を3日掛けて歩いた。藤田は「ずっと一緒にいましたね」と振り返り、丸山は「一応、プランを立ててはいたんですよ、京都に、地元にお迎えする時に。でも、その行く道の間で『この話をしよう』というのではないところで脇道へ逸れたところにポツンポツンと言うはずのなかったエピソードとかが散りばめられたりとかして。僕にとっては、ちっちゃなエピソードだったりするんですけど、着目してもらったりとかもして。地元をたどっていく中で、そういう些細なことも思い起こされたりとかもした。地元を藤田さんみたいに初めて歩く人と歩くのは、こんなにいろんな発見があったり、視点の違いがあるんだな、と。とても不思議な体験でした」と語っていた。

出会いのきっかけと意気投合

出会いは丸山が藤田の舞台を観劇したこと。丸山は「コロナ禍が落ち着いてきだした時に友人に誘っていただいて観させていただいた。『こんな現象を巻き起こせる方々がいたんだ』といたく感動しました。僕は本当は『やりたい』と言っていないんです。『やりたい』と口が裂けとも言えないほど、本当に美しくも肉体的な世界観を作られるので、まさか自分がそこに立つなんて思ってなかった。事務所の舞台班の方に『こんなすごい演劇を観たんだよ』と言ったのが『やりたい』と捉えてしまった」と苦笑い。「だとしても、一緒にやること自体は、そんなにきっとないジャンルだと僕も思っていた。『それ、藤田さんはいいって言ったの?』と、ちょっとビックリドッキリみたいなのがあった」と経緯を語っていた。

同世代とあって、初対面から意気投合。丸山の印象について藤田は「すごく芸に真面目だなと思って。何をしていても、どこかしらで何か表現に携わりたいことを僕に言ってくれる人だから、そういう真面目さも含めてすごい関わりたいなと思わせてくれる人だった。僕の方から『一緒にやりたいです』と事務所さんの方に言った」と話していた。

半自伝的役への挑戦と公演情報

丸山が演じるのは「わたし=丸山隆平」。藤田が創り出す虚構の世界の中で、丸山自身が“丸山隆平”として舞台に立つという、新たな表現に挑む。丸山は「本当に不思議な追体験。藤田さんが作られる世界観で、僕の中に起こったものやことが、戯曲の中で組み上げられていく。僕は組み上げられた自分を1回解体して、もう1回再構築していく不思議な役の構築の仕方だった」と苦笑い。藤田は「大変だったと思う。全く違う者を演じた方がよっぽど楽だったと思う。僕が描く丸山隆平と本当の丸山隆平がもちろんあるから、そこのズレを埋めるのが大変そうだった」と振り返る。丸山は「最初の方で、それは言ってくださってたんですけど、僕自身はそれがどういうことかってわからず『あっはい!頑張ります』みたいな(笑)」と思い返していた。

『water』は、丸山の記憶の断片を散りばめながら、藤田の視点で見つけた京都という土地、そして虚構の世界を織り交ぜて描いた半自伝的作品。本作は、丸山が演劇団体マームとジプシーの舞台を観劇したことをきっかけに藤田の作品に興味を持ち、その後2人が出会ったことに加え、折しも藤田が京都でリサーチを進めていたこと、そして丸山自身が京都出身であることなど、いくつもの偶然が重なり動き始めた。創作にあたって2人は対話を重ねるだけでなく、実際に京都を訪れ、丸山が幼少期から親しんできたゆかりのある場所をともに巡った。当時の風景や記憶をたどりながら語られたのは、特別な出来事ではなく、誰もが持っているような幼少期の記憶や地元での日常。そこから生まれた『water』は、観客それぞれの記憶や原風景にも重なっていく作品となる。

舞台『water』は、きょう27日から10月25日まで同所で上演。11月7日から10日に京都劇場で京都公演が行われる。