岸井ゆきの主演『ユージニア』11月8日スタート 恩田陸原作をWOWOWがドラマ化、17人死亡事件に翻弄される女性
岸井ゆきの主演『ユージニア』11月8日スタート 恩田陸原作をWOWOWがドラマ化、17人死亡事件に翻弄される女性

作家・恩田陸のミステリー小説『ユージニア』が、岸井ゆきの主演で実写ドラマ化される。WOWOWオリジナルドラマとして11月8日から毎週日曜午後10時に放送・配信され、全6話。岸井がWOWOW作品で主演を務めるのは今回が初めてとなる。

原作は、『蜜蜂と遠雷』で直木賞と本屋大賞に輝いた恩田が2005年に発表。第59回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞した傑作ミステリーだ。国内累計発行部数は38万部を突破し、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、韓国語の6言語に翻訳されている。2020年には米紙ニューヨーク・タイムズの「今年の100冊」に選出され、2022年にはドイツ犯罪小説賞の国際部門で1位を獲得。海外での評価も高い。刊行から約20年を経て、世界で初めて映像化される。

物語の発端は17人が死亡した大量殺人事件

物語の発端は北陸のK市にある名家で17人が死亡した「中大垣町大量殺人事件」。第一発見者で事件を題材にした小説を書いた小説家、生き残った盲目の少女、事件を追うライターら関係者が、30年経ってもなお事件の記憶に翻弄される姿が描かれる。

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岸井が演じるのは、11歳の時に事件の最初の目撃者の一人となった雑賀満喜子。後に事件の経緯を卒業論文としてまとめ、小説『忘れられた祝祭』として出版しベストセラー作家となる役どころだ。ある人物から受けた影響で、話す相手や状況に応じて声色や話し方を自在に変える。

ドラマでは、20代だった1980年代に事件の関係者へ話を聞いて回る満喜子と、40代になった2000年代にライターから真相を問われる満喜子を描く。岸井が30年にわたる変化を一人で演じる。解禁された役写真には、謎めいた表情を浮かべる満喜子が収められた。

岸井ゆきの×安達奈緒子、再タッグ

脚本を担当するのは、ドラマ『きのう何食べた?』や『おかえりモネ』などを手がけた安達奈緒子。岸井とは『お別れホスピタル』シリーズに続くタッグになる。安達は原作について「読者や視聴者を、“傍観者”という安全な場所から引きずり出す物語」と表現。「自分が見たものが、見たまま真実だと言い切れるのか、物語が進むにつれて分からなくなってしまう。そのそれぞれの“体験”を映像にする。大変な挑戦だと思います」とコメントした。

岸井は中学時代から恩田作品を読んでいたといい、「オファーはとてもうれしく、同じくらいのプレッシャーもありました」と告白。「安達奈緒子さんの脚本だと聞き、いつも多角的に世界を描いていく安達さんとなら、この物語に一緒に飛び込めるかもしれないと感じました」と全幅の信頼を寄せる。

演技については「話す人や、その時の気持ち、状況によって話す速度やイメージが変わる役だったので、シーンとシーンのつながりを気にせずお芝居をするのは新鮮でした」と説明。「記憶されたものと記録は同じものではないかもしれません。ぜひ楽しんで観ていただければ幸いです」と視聴者に呼びかけた。

メイン監督は古川豪、原作者の恩田陸も期待

メイン監督は映画『金子差入店』(2025年)で長編デビューした古川豪氏。『東京サラダボウル』やディズニープラス『ガンニバル』に参加した川井隼人氏も監督を務める。

原作者の恩田は「2005年の刊行以来、海外からも含め映像化のオファーはいろいろいただいていたのですが、刊行20年の節目に映像化が決まったのは、完全版が出たこともあり、感慨深いものがあります」と喜びを語った。「映像版は、また一つの新たな『ユージニア』になっていると思います。素晴らしい脚本とキャストに恵まれ、私も皆さんと一緒にワクワクしています」と期待を寄せている。

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本作はWOWOWにとって恩田作品初の映像化となり、安達の脚本、古川の監督、岸井の主演も同局では初めて。4つの“WOWOW初”がそろう作品となる。WOWOWの山田雅樹チーフプロデューサーは「事実を超えた真実で、どうか震えていただけたら幸いです」とコメントしている。