銀座の夜の街では、毎晩のように大金をスマートに使いこなす「一流の男性」がいる一方で、お金はたくさん使っているのに女性から「残念な人」と心の中でシャッターを下ろされてしまう男性も少なくない。彼らは決して「ケチ」ではない。むしろ太っ腹にお金を使ってくれているのに、なぜか「モテ」からも「尊敬」からも遠ざかってしまう。今回は、銀座のクラブ勤務の著者の体験談やホステスたちから実際に聞いた目撃談をもとに、「ケチではないのに残念すぎるお金の使い方」を5つのステップで解説する。
アフターで高級ボトルを入れるのは逆効果
お店の営業終了後にホステスとゲストがレストランやバーなどで一緒に過ごすことを「アフター」と言う。ここでのお金の使い方にも注意すべき点がある。最もやってしまいがちな残念な使い方が、アフターで利用したお店でシャンパンやワインを「ボトルで注文する」ことだ。
「君たちのために、ここでもいいお酒を開けてあげるよ!」というサービス精神や太っ腹な気持ちの表れかもしれないが、ホステスの本音は残念ながら「おいおい冗談だろ」である。ホステスにとっての仕事場はあくまで「自分のお店」。自分のお店でお客様にお金を使っていただくからこそ売上や評価に繋がるのであって、アフターの他店でどれだけ高級ボトルを開けられても、彼女たちの成績には1ミリも影響しない。
さらに、ホステスの中には「アフターではもう1滴もお酒を飲みたくない」「お茶を飲んで胃を休めたい」と思っている女の子も多い。アフターではボトルを入れる必要はなく、女の子に「何が飲みたい?」「お茶にする?」と優しく声をかけ、それぞれのペースに合わせるお財布の使い方ができる男性こそが、本当に「気が利くモテ男」である。1~2時間でサッと切り上げて、タクシー代(1万円から)を渡すのも忘れてはならない。
付き合う前の1泊2日デートは警戒される
「お金はあるから、最高の旅行に連れて行ってあげるよ!」という意気込みが完全に裏目に出てしまうのが、付き合う前の初デートで1泊2日の行程を組むパターンだ。あるホステスさんからは、こんな相談を受けたことがある。「気になっている男性からデートに誘われたんだけど、どうやら勝手に1泊2日の行程を組まれているみたいで悩んでいます。まだ付き合っているわけでもないのに、いきなりお泊まりデートはちょっと……」
男性側に悪気はなく、「いいホテルに泊めて喜ばせたい」というリッチなデートの提案だったのかもしれない。しかし、付き合う前の段階でいきなり宿泊を伴う予定を組まれると、女性側は「下心が見え見えで引く」「自分の都合しか考えていない」と警戒マックスになってしまう。お金をかけて豪華な旅行を計画すればするほど、女性の心は反比例して離れていく。
最初は2~3時間程度の美味しいディナーから。段階を踏んでお互いの距離が縮まってから、初めて「今度は旅行でも行かない?」と提案するのが鉄則である。最初のお泊まり旅行にかけるはずだった予算は、次のデートを重ねるための軍資金に回そう。
自慢買いより体験の価値を語る
銀座にいると、「エルメスで◯◯を買った」「予約困難なお寿司屋さんでウン10万円も使った」といったお話を嬉しそうに語るおじさんにまれに遭遇する。もちろん、それだけのお金を稼ぐバイタリティは素晴らしいことだ。しかし、話を聞いているホステスたちの心の中は、「……だから、なに?」といった冷ややかなもの。
このようなおじさんが残念に見えてしまう理由は、お買い物や食事をする際のモチベーションが「体験」や「品物の価値」ではなく、「自慢すること(=使った金額の提示)」になっているからだ。せっかくの最高峰のお寿司屋さんで食事をしたのに、「大将のあの仕事が素晴らしかった」「あのネタの組み合わせに感動した」という体験の話ではなく、「いくら使ったか」という金額の数字ばかりにこだわっている。そんな姿はどこか品が欠けて見える。
本当に一流の男性は、高級ブランドや高額な会計を自らアピールしない。サラッと身につけ、サラッと支払い、聞かれたら「ああ、これ使いやすくて気に入ってるんだ」「あのお店、美味しかったから今度一緒に行こうよ」と、相手を楽しませる会話にシフトする。
自己投資を怠る「パパ活」おじさん
結婚して、子どももいて、一見すると誰もが羨む幸せな家庭を築いているパパさんたち。それなのに、なぜか「現役で女性にモテ続けること」に異常にこだわり、新しい出会いを求めて夜の街やアプリを彷徨うおじさんが少なくない。結果として、若くて美しい「パパ活女子」たちとの、お金を介した関係にのめり込んでしまう。
若くて美しい女性と男女の関係になることには成功しているが、そこに本当の好意やリスペクトはあるのだろうか。蓋を開けてみると経済力に惹かれていただけだった、なんてことも珍しくない。本当にモテたいのであれば、女性との時間をお金で買う前に、まずは「自分自身」にお金を使うべきではないだろうか。
エイジングケアに投資する、ジムに通って体型を維持する、清潔感のあるファッションを勉強する。そういった努力を惜しみ、手っ取り早くお金の力で女の子を振り向かせようとする姿勢こそが、最も「残念」だと言わざるを得ない。お財布扱いされながら優しくしてもらう生活はやめて、美容、健康、教養など、自分をアップデートする「自己投資」にシフトしよう。中身も外見も磨かれた男性になれば、お金をばら撒かなくても自然と魅力的な女性が周囲に集まるようになる。
店員への態度で本性が見抜かれる
店員さんに対して横柄な男性も本当に残念だ。過去にお寿司屋さんで本当に恥ずかしい思いをしたことがある。あるおじさんが、カウンターの向こうの板前さんに向かって「ねえ、ネギトロの語源って知ってる?」と変なウンチクを語りだし、挙句の果てには「それでも寿司職人か?」と偉そうに説教を始めてしまった。板前さんたちは笑顔で応じてくれていたが、隣にいた筆者は恥ずかしさで顔から火が出るかと思った。また、帰りのタクシーの運転手さんに対して、タメ口で乱暴に行き先を告げる男性も同類である。
ホステスをはじめ、多くの女性は「自分に対する態度」ではなく「他者に対する態度」を見て、その男性の本性を見抜いている。お金を払っているからといって、偉そうにしていいわけではない。むしろ、そのお店のプロの技術やサービスに対してリスペクトを払えない姿は非常に器が小さく映る。店員さんには「ごちそうさま、美味しかったです」、タクシーを降りる時は「ありがとうございました」。このひと言が自然と言えるかどうかが重要で、周囲へのリスペクトを忘れない男性の姿に女性は「付いていきたい」と感じるものだ。
お金の使い方の美学がモテを決める
ケチではなく、むしろたくさんのお金を使ってくれているのに、なぜか残念な印象を与えてしまう男性たちに共通しているのは、お金を使うことで自分のプライドを満たそうとしたり、相手をコントロールしようとしたりしている点だ。お金は、自分を大きく見せるための道具でも、下心を叶えるための通行手形でもない。
目の前の相手をリスペクトし、その場にいる全員が心地よく過ごせるように配慮する。そんな「美しいお金の使い方」ができる男性こそが、銀座でも、そして日常の恋愛市場でも、時代を超えて愛され続ける「真のモテ男」なのである。



